コロナの石油ファンヒーターは何が違う? WZ・VX・STの差を足もとあったかルーバーと55秒点火から

コロナの石油ファンヒーター|シリーズの違いを解説 石油・ガスファンヒーター

※本記事にはアフィリエイト広告(楽天・Amazon)を含みます。

コロナの石油ファンヒーターは、2026年9月22日時点で10シリーズ23機種あり、ダイニチ(12タイプ)に次いで系統の多いラインアップです。シリーズ1本目(準備中)では「足もとあったかルーバー」と「秒速点火」を1行で紹介しましたが、この記事ではシリーズごとの機能の付き方と、公式の数値で分かる「燃焼時の消費電力(W)の差」を掘り下げます。

先に3行で

  1. WZ・VXシリーズ(3.6〜5.7kW帯)の燃焼時消費電力は9.5〜10.5W(強)と、ST・Gシリーズ(同じ出力帯)の22〜27Wより大幅に少ないです(公式の仕様表で確認できる数字です)
  2. 「足もとあったかルーバー」はWZシリーズだけの機能で、比較表の名前は「トリプルフロー&ルーバースイング」です
  3. 点火方式は「55秒点火」(CP以外の全シリーズ)と「秒速点火(7秒点火)」(全10シリーズ)の2つがあり、後者は約75秒の予熱が必要です

10シリーズの位置づけ

コロナの石油ファンヒーターは、公式の比較表の並びでWZ・VX(大能力含む)・SR・S32・G32・G・VG・ST・mini・CPの10シリーズに分かれます。同じ出力帯(3.60〜0.59kW)で比べても、シリーズによって燃焼時消費電力・質量が異なります。

コロナ 3.60〜0.59kW帯(またはそれに近い出力)の代表機種比較(公式仕様表)
シリーズ 型番 タンクL 燃焼時W(強/弱) 質量kg
WZ FH-WZ3626BY 7.2 9.5/4 11.8
VX FH-VX3626BY 7.2 9.5/4 12.0
G FH-G3626BY 7.2 22/11 11.1
ST FH-ST3626BY 7.2 22/11 11.2

この表のとおり、タンク容量は同じ7.2Lでも、燃焼時消費電力と質量が異なります。同じ3.60〜0.59kWの出力で比べると、WZ・VXシリーズは燃焼時消費電力が9.5W(強)・4W(弱)である一方、Gシリーズ(代表機種FH-G3626BY・質量11.1kg)・STシリーズは22W(強)・11W(弱)と、2倍以上の差があります。この記事内の代表機種として、STシリーズの「FH-ST3626BY」(暖房出力3.60〜0.59kW・木造10畳/コンクリート13畳まで、燃焼時消費電力22/11W)を挙げます。保証は3年です(コロナの製品一覧に「3年保証」の印。2026年10月3日確認)。

同じシリーズでも出力違いの機種がある

WZ・VX・G・STシリーズには、いずれも3.60kW・4.62kW・5.65kWの3段階の出力違いがあります。消費電力もそれぞれ変わり、WZシリーズは3.60kW機が9.5W(強)/4W(弱)、5.65kW機は10.5W(強)/4W(弱)です。G・STシリーズは3.60kW機が22W(強)/11W(弱)、5.65kW機は27W(強)/12W(弱)と、出力が上がるほど消費電力も増えます。

VXシリーズにはさらに大きい「VX大能力タイプ」(FH-VX6726BY・FH-VX7326BY)があります。暖房出力はそれぞれ6.65〜1.06kW(木造17畳/コンクリート24畳まで)、7.25〜1.19kW(木造19畳/コンクリート26畳まで)です。燃焼時消費電力は28W(強)・29W(強)とVXの標準タイプ(9.5〜10.5W)より高く、質量も14.5kgとやや重くなります。希望小売価格はFH-VX6726BYが97,680円、FH-VX7326BYが115,280円です。点火時間も標準タイプの55秒より長く、公式の注記どおり「VX6.7・7.3kWタイプは120秒」です。

10シリーズ23機種の質量は、最も軽いmini・CPシリーズ(7.9kg)から、最も重いVX大能力タイプ(14.5kg)まで幅があります。待機時消費電力はどのシリーズも0.6〜0.9Wと小さく、シリーズ間で大きな差はありません。

「業界No.1の低消費電力」の対象は限られている

コロナは公式サイトで「業界No.1の低消費電力」「電気代が一番安いファンヒーター」という表現を使っています。ただし、この表現には条件がついています。WZシリーズの製品ページの注記は「※石油ファンヒーターにおいて2026年5月時点。」、2026年8月18日のリリースの注記は「2026年5月時点。WZ・VXシリーズ3.6・4.6kWタイプにおいて。」です(点火機能のページの注記は「2026年5月時点。WZ・VXシリーズ3.6kW・4.6kWタイプにおいて。」)。これらを合わせると、対象はWZ・VXシリーズの3.6kW・4.6kWタイプに限られ、比較対象の他社名や測定方法の記載は当サイトの調査範囲では確認できませんでした。上の表で示したとおり、同じコロナの中でもG・STシリーズにはこの表現は当てはまりません。

足もとあったかルーバーはWZシリーズだけの機能

WZシリーズだけに搭載されている「足もとあったかルーバー」(比較表での名前は「トリプルフロー&ルーバースイング」)は、公式の説明で「温風が遠くまで届く」とされています。試験条件の逐語は「室温22℃±2.0℃、床から高さ30cm地点。ロング温風1/f最大火力時、室温5℃以上の上昇で到達と判定。温風到達距離は最大230〜最小170cm(強運転時)まで変化します。」というものです。VX・ST・Gシリーズにはこの機能はありません。WZシリーズの代表機種として「FH-WZ3626BY」(暖房出力3.60〜0.59kW・木造10畳/コンクリート13畳まで)を挙げます。

プレミアム消臭「極」PlusはWZ・VX・VGの3シリーズ

「プレミアム消臭『極』Plus」は公式で「当社石油ファンヒーター史上No.1の消臭性能」とされる機能で、WZ・VX・VGシリーズに搭載されています。中身の注記は「クリーン消火&ニオイカットメカ&においとり触媒機能の総称です。WZ・VXシリーズ、VGタイプに搭載。」で、比較は「可動式ルーバーFH-WZ3626BYと固定式ルーバーFH-ST3626BYで比較」というグリルフード採集法(THC)によるものです。SR・S32・G32・G・ST・mini・CPの7シリーズにはこの機能はありません。VXシリーズの代表機種として「FH-VX3626BY」(暖房出力3.60〜0.59kW・木造10畳/コンクリート13畳まで)を挙げます。

点火の速さ:55秒点火と秒速点火(7秒点火)

点火方式は2種類あります。「55秒点火」は公式で「燃焼時の消費電力を抑えながら55秒で点火」とされ、注記には「2.5~3.6kWタイプにおいて。4.6・5.7kWタイプは約65秒です。VX6.7・7.3kWタイプは120秒です。」とあり、CPシリーズ以外の全シリーズに搭載されています(CPシリーズの通常点火は約5〜7分の予熱が必要な別方式です。秒速点火はCPシリーズにも搭載されています)。もう一つの「秒速点火(7秒点火)」は「秒速点火をONにしてから、約75秒の予熱時間が必要です。予熱のために平均約80Wの電力を消費します。」というもので、全10シリーズに搭載されています。公式の注記には「室温が約10℃より低い場合は、予熱時間が10~40秒程度長くなります。」ともあります。

コロナの55秒点火(点火時は予熱のため650W)と秒速点火(約75秒の予熱・平均約80W)の電力を対比する図
コロナ|2つの点火方式の電力(コロナ公式サイトより当サイトが作成・2026年9月22日確認)
コロナの点火時・予熱時の電力(公式表記)
状態 電力 対象
点火時(リリースの表現) 650W 予熱のため(リリース※3)
秒速点火の予熱中 平均約80W 全10シリーズ(VX6.7・7.3kWタイプは平均約100W)
CPシリーズの点火時 166W CPシリーズのみ(約5〜7分の予熱)

省エネセンサー・ecoモード/セーブモードの違い

「省エネセンサー」(人の動きを検知して火力を調整・消火)はWZシリーズのみの搭載です。節約額の試算の前提として、公式の注記には「午前1回・午後2回(30分/日)、10分間センサーが作動することにより、それぞれ中燃焼が最小燃焼となった場合」という条件があります。灯油の消費を抑える「ecoモード」(WZ・VX・SR・VG・ST)と「セーブモード」(S32・G32・G・mini)は、リリースで「全機種に搭載」とされていますが、名称はシリーズによって異なります。ecoモードの効果試算は「当社住環境試験室(10畳)にて室内初期温度7℃スタートとし、設定温度22℃とした場合の3時間後の灯油使用量の比較」という条件つきで、灯油121円/L(2026年1月5日 全国平均店頭価格 資源エネルギー庁発表)・電気31円/kWh・JGKA自主基準1,900時間という前提で算出されています(FH-WZ3626BYの場合で3機能合算「約13,600円」)。

この「約13,600円」は、省エネセンサー・足もとあったかルーバー・ecoモードの3つの機能による節約額を合算したものです。公式の注記は「[省エネセンサー]午前1回・午後2回(30分/日)、10分間センサーが作動することにより、それぞれ中燃焼が最小燃焼となった場合。[足もとあったかルーバー]お部屋上部にたまるムダな熱の低減による灯油の節約。」と機能ごとの前提を並べています。「省エネセンサー」と「足もとあったかルーバー」はどちらもWZシリーズだけの機能のため、この3機能合算の節約額はWZシリーズだけに当てはまり、他のシリーズには当てはまりません。

コンパクトなmini・CPシリーズ

10シリーズの中で最も出力が小さいのはmini・CPシリーズ(FH-M2526Y・FH-CP25Y)で、暖房出力2.50〜0.66kW・木造7畳/コンクリート9畳まで、タンク3.6Lです。CPシリーズは通常点火が他の9シリーズと異なり、約5〜7分の予熱が必要な別方式です(秒速点火(7秒点火)はCPシリーズにも搭載されています)。燃料消費量(L/h)が公式に記載されているのもCPシリーズだけで、「2.50〜0.66kW(0.243〜0.064L/h)」「燃焼継続時間(強〜弱)約14.8〜56.3時間」とあります。WZ・VX・G・STなど他のシリーズには燃料消費量の記載が見つかりませんでした。miniシリーズの代表機種として「FH-M2526Y」(暖房出力2.50〜0.66kW・木造7畳/コンクリート9畳まで)を挙げます。

SR・S32・G32・VGの位置づけ

SR・S32・G32・VGシリーズは、いずれも9畳/12畳クラス(3.19〜3.30kW帯)のタンク5Lタイプです。代表機種は、SRシリーズがFH-SR3326Y(質量9.6kg)、S32シリーズがFH-S3226Y(質量8.8kg)、G32シリーズがFH-G3226Y(質量8.8kg)、VGシリーズがFH-VG3326Y(質量9.0kg)で、いずれも3.19〜3.30kWの出力です。燃焼時消費電力は20〜21W(強)・11W(弱)とG・STシリーズに近い水準で、WZ・VXシリーズのような低消費電力の表記はありません。消費電力を抑えたいなら、1つ上の出力帯(3.60kW以上)のWZ・VXシリーズが候補になります。

よごれま栓と価格表示の違い

コロナは全機種に「よごれま栓」という給油口を採用しています。公式の説明は「灯油が付着した部分に直接触れたり、フタがタンクから離れないため、手や床に直接灯油が付くことがありません。」というものです。持ち運びに便利な「キャリングとって」が付いているのはWZ・VXシリーズだけで、他のシリーズには付いていません。

価格表示にも違いがあります。WZ・VXシリーズ(VX大能力含む)には希望小売価格の記載があり(例:FH-WZ3626BY 76,780円、FH-VX3626BY 65,780円、FH-VX6726BY 97,680円)、SR・S32・G32・G・VG・ST・mini・CPシリーズはすべて「オープン価格」(実売価格は販売店が決める)です。価格の記載があるかどうかは機能の優劣とは関係ありません。

他社にも似た機能はあるか

着火の速さを競う機能は他社にもあります。ダイニチには「35秒スピード着火」があり(出力帯によって35〜80秒。詳しくはダイニチ編・準備中)、コロナの「55秒点火」「秒速点火」とは測定条件が異なるため、当サイトは秒数だけで両社を比較していません。「省エネセンサー」のような人感知機能の名称も各社で異なるため、名前だけで機能の強さを判断しないことをおすすめします。

向いていない人

・燃焼時の消費電力の少なさを重視したい人が、WZ・VX以外のシリーズ(G・ST等)を検討している場合(同じ出力帯でも消費電力が2倍以上違います)
・「業界No.1」という表現だけで機種を決めたい人(対象はWZ・VXの3.6kW・4.6kWタイプに限られ、比較対象の記載がありません)
・秒速点火を使わずに通常点火だけでCPシリーズを使いたい人(通常点火は約5〜7分の予熱が必要です。CPシリーズにも秒速点火(7秒点火)は搭載されています)

よくある質問

Q. WZシリーズとVXシリーズは何が違いますか?

A. 本記事で確認できた範囲では、3.60〜5.65kW帯の出力・タンク容量・燃焼時消費電力は同値です。「足もとあったかルーバー」と「省エネセンサー」はWZシリーズだけの機能で、VXシリーズには搭載されていません。質量もFH-WZ3626BY 11.8kgに対しFH-VX3626BY 12.0kgとわずかに違います。「プレミアム消臭『極』Plus」はWZ・VXの両方に搭載されているため、消臭機能では差がありません。

Q. 「業界No.1の低消費電力」はどのシリーズにも当てはまりますか?

A. いいえ。公式の注記は「WZ・VXシリーズ3.6・4.6kWタイプにおいて」に限定されており、G・STシリーズなど他のシリーズには当てはまりません。

Q. 秒速点火をオフにすると、通常の点火時間はどうなりますか?

A. 公式の「55秒点火」(2.5〜3.6kWタイプ)が基本の点火方式です。4.6・5.7kWタイプは約65秒、VX6.7・7.3kWタイプは120秒とされています(CPシリーズを除く)。

Q. コロナの「オープン価格」とはどういう意味ですか?

A. 「オープン価格」はメーカーが希望小売価格を定めていない価格表示方式で、実際の販売価格は各販売店が決めます。コロナではWZ・VXシリーズ(VX大能力含む)に希望小売価格の記載があり、SR・S32・G32・G・VG・ST・mini・CPシリーズはオープン価格です。機能面の優劣を示すものではなく、価格表示の方式が違うだけです。

まとめ

コロナの石油ファンヒーターは10シリーズ23機種あり、同じ出力帯でも燃焼時消費電力・搭載機能はシリーズごとに大きく異なります。「業界No.1の低消費電力」はWZ・VXシリーズの3.6kW・4.6kWタイプに限った表現であり、この記事内の代表機種STシリーズには当てはまりません。「足もとあったかルーバー」「省エネセンサー」はWZシリーズだけ、「プレミアム消臭『極』Plus」はWZ・VX・VGだけと、機能ごとに搭載シリーズが分かれているため、機種を選ぶときは、シリーズ名だけでなく公式の仕様表で燃焼時消費電力・タンク容量・搭載機能を確認することをおすすめします。価格表示の方式(希望小売価格かオープン価格か)は機能の優劣とは関係がない、という点もあわせて押さえておくと迷いません。

コロナの電気ストーブと比べたい人はコロナの電気ストーブ「コアヒート」3機種は何が違う? BCコーティングと省エネセンサーを公式の説明で1つずつ解説、電気暖房の選び方は電気暖房器具はどれを選ぶ?4方式の違い【実は1200Wの熱はどれも同じ】、今年の新製品の発表は暖房器具の2026年モデルはもう出ている? 各社が発表した新製品と発売日【公式の発表だけ】、買い替えの目安は「家電の寿命10年」は本当か|買い替えた世帯だけを数えた11品目の実データで扱っています。

注記

本記事の数値・機能説明は2026年9月22日にコロナ公式サイト(corona.co.jp)の比較表・各シリーズの製品ページ・点火機能の説明ページ・発売リリースで確認したものです。実際に運転して暖かさや消臭効果を比較したものではありません。

出典

コメント

タイトルとURLをコピーしました