別置きの衣類乾燥機のカタログには、6kg、1時間、1180W、96円のような数字が並びます。どれも衣類の量・室温・単価などの条件つきの数字で、条件が違えば並べて比べられません。この記事では、日立・パナソニック・東芝・リンナイの公式の情報から、各数字の条件を読みます。古い乾燥機を捨てるときに家電リサイクル法の料金がかかる理由も、公式の文言で確かめます。
先に4行で
- 6kgは乾燥容量の表記で、日立の取扱説明書は「標準乾燥容量」に「乾燥布質量」と添えています。リンナイの「洗濯物が、1時間で乾く。」は6kg(RDT-63)の数字で、条件は実用衣類(綿50%、化繊50%)・脱水度70%・標準コース・LPGの約60分です。
- 電気式の消費電力は、日立が1180W(DE-N60HV・DE-N50HV・DE-N40HX 共通・室温30℃・ヒーター「強」)、パナソニック NH-D605 が1255W(室温30℃・ヒーター「強」)、東芝が1,220W(室温30℃)です。1回の運転で使う電力量ではなく、ガス式の消費電力は熱源ではないので同じ表に並べていません。
- リンナイの「6kgで96円、9kgで149円」は1回あたりの試算で、前提は LPG 5.9円/MJ(令和4年度)・電気31.0円/kWh・60Hz・基本料金は加算せず・リンナイ調べです。現在の単価ではなく、当サイトはガスと電気の損得を断定しません。
- 衣類乾燥機は家電リサイクル法の対象(家庭用の場合。業務用は対象外)で、廃棄する(捨てる)ときは収集運搬料金とリサイクル料金を支払う仕組みです。金額はこの記事では書きません。
この記事の根拠と、扱わないこと
根拠は、各社の公式ページ・公式PDFと、全国家庭電気製品公正取引協議会(家電公取協)・環境省・家電リサイクル券センター・NITEです。確認日は2026年10月1日で、公式の文を「」で引いた箇所は、原文のまま写しています。当サイトは実機を1台も持っておらず、乾燥の速さや運転音を自分で確かめていません。パナソニックと東芝の取扱説明書は利用条件への同意が要るため開いておらず、両社の乾燥時間の目安と1回あたりの消費電力量は、当サイトは確認できませんでした(公式に書かれていないという意味ではありません)。機種のおすすめ、価格、工事費は扱いません。
「6kg」は何の6kgか
日立の取扱説明書の仕様欄は、DE-N60HV を「標準乾燥容量」6.0kg、DE-N50HV を5.0kg、DE-N40HX を4.0kgとし、3型番とも「乾燥布質量」と添えています。語のとおりなら乾いた状態の布の質量ですが、この語の説明文は取扱説明書の中で当サイトは確認できませんでした。パナソニックと東芝の仕様ページは「乾燥容量」として、NH-D605 と ED-60A4 を6.0kg、ED-45A4 を4.5kgと載せています。洗濯機の洗濯容量との換算は書きません。
この数字は、入れる量の上限の目安として読めます。日立の取扱説明書は、標準乾燥容量を超えるとドラム内の温度が高くなる場合があると注意し、「しわを少なくするためには、標準乾燥容量(DE-N60HVは6.0kg/DE-N50HVは5.0kg)の半分ぐらいでの乾燥をお勧めします。」と書いています。コースごとの容量も書かれており、パナソニックの製品ページの「搭載コース一覧」では NH-D605 のワイシャツコースが1.2kgです。
「1時間で乾く」の条件と、室温・脱水
リンナイ公式は、特長の1つめに「洗濯物が、1時間で乾く。」を掲げ、脚注の条件を「実用衣類6kg(綿50%、化繊50%)/脱水度70% RDT- 63・標準コースで算出。」、続きを「ガス種:LPGの場合で約60分」としています。同じ脚注に、9kg(RDT-93)は約90分、5kg(RDT-54S-SV)は約52分とあるので、「1時間」は6kgの RDT-63 の数字です。家庭用5シリーズ(RDT-93・RDT-63・RDT-80・RDT-54S-SV・RDT-31S)のうち、RDT-80 と RDT-31S の目安は当サイトは確認できませんでした。
日立の取扱説明書の目安は、DE-N60HV で約6kgが約200分、約3kgが約120分、約1.6kgが約75分です。条件は、日立の全自動洗濯機で洗濯したものを「標準」コースで乾燥したとき(室温20℃・ヒーター「強」・エアハッチを閉じた場合)で、「乾燥時間は洗濯物の種類、脱水のしかた、気温などで変わります。」「乾燥時間は室温が1℃下がるごとに、約1分長くなります。」とも書かれています。
リンナイの約60分と日立の約200分は、衣類の中身・脱水の程度・室温の決め方が違うので、同じ6kgでも条件をそろえた比較ではなく、当サイトは何倍速いとは書きません。リンナイの脚注には室温の条件が書かれていません(当サイトが確認した範囲)。
「消費電力」の読み方
消費電力(W)は運転中の電力の大きさで、1回の運転で使った電力量(Wh・kWh)は電力(W)に運転時間をかけて求めます。電気式3社の公表値は次のとおりです。
| 型番 | 消費電力 | 条件(公式の記載) |
|---|---|---|
| 日立 DE-N60HV・DE-N50HV・DE-N40HX(共通) | 室温30℃:強1180W・弱710W/20℃:強1200W・弱720W/5℃:強1270W・弱750W | 取扱説明書の仕様欄。50-60Hz共用で、50Hzと60Hzの区別なし |
| パナソニック NH-D605 | 1255W | 室温30℃・ヒーター「強」(仕様ページの注記) |
| 東芝 ED-60A4・ED-45A4 | 1,220W | 室温30℃(仕様ページの注記。ヒーターの強弱は書かれていません) |
3社とも室温30℃の数字がありますが、東芝は強弱の条件が書かれていないため、当サイトは数十Wの差で優劣を付けません。1回あたりの消費電力量は、日立の取扱説明書の仕様欄に欄が見当たらず(DE-N60HV・DE-N50HV は40ページ、DE-N40HX は37ページ)、パナソニックと東芝は確認できませんでした。
リンナイの仕様表には、消費電力の欄とは別にガス消費量の欄があり、熱の元になるガスの量はそちらに書かれています。たとえば RDT-63 は、消費電力が50Hzで250W・60Hzで320W、ガス消費量がLPGで4.47kW〜2.10kWです。ガス式の消費電力は電気式の表に入れず、電気式と大小も比べません。
1回あたりの費用の読み方
リンナイのカタログは「1回の乾燥コストは、6kgで96円、9kgで149円と経済的です。」と書いています。これは1回あたりのリンナイによる試算です。前提は、ガス料金がLPGで5.9円/MJ(石油情報センター令和4年度月次データ平均価格(50㎥)データの単純平均)、「電気料金31.0円/kWh、60Hzの場合(基本料金は加算せず)」、6kgは RDT-63・9kgは RDT-93 の標準コース、実用衣類(綿50%、化繊50%)・脱水度70%、1日1回使用、リンナイ調べです。内訳は6kgがガス85円と電気11円、9kgが133円と16円です。令和4年度の単価が前提で、いまの単価や都市ガスの家に当てはまるとは限らないため、当サイトは年間の金額を計算せず、ガスと電気のどちらが安いかも断定しません。
電気式の電気代の目安は、消費電力(W)×時間(h)÷1000×単価(円/kWh)です。単価は、家電公取協のQ&Aが「現在の目安単価は、令和4年7月22日に改定された31円/kWh(税込)です。」と書いています。実際の単価は契約で違います。1回あたりの消費電力量が確認できないため、この記事では電気式の電気代を計算していません。
運転音の数字
運転音の数値は、この記事で扱った4社のうち東芝の ED-60A4・ED-45A4 で確認できました。機能一覧は「低騒音設計 42dB」と書き、注記は「運転音の表示はJIS C9608 回転ドラム式電気衣類乾燥機 騒音試験による」です。ほかの3社は数値を確認できず、東芝がいちばん静かとは言えません。
廃棄するとき:家電リサイクル法の料金
環境省は、家電リサイクル法の対象の家電4品目に「電気洗濯機・衣類乾燥機」を挙げ、「消費者(排出者)には、家電4品目を廃棄する際、収集運搬料金とリサイクル料金を支払うことなどをそれぞれの役割分担として定めています。」と説明しています。捨てるときに料金がかかるのは、この仕組みのためです。
メーカーも同じ趣旨を書いています。日立の取扱説明書は「家電リサイクル法では、お客様がご使用済みの衣類乾燥機を廃棄される場合は、収集・運搬料金、再商品化等料金(リサイクル料金)をお支払いいただき、対象品を販売店や市町村に適正に引き渡すことが求められています。」、パナソニックの製品ページは「洗濯機及び衣類乾燥機を廃棄する場合は、家電リサイクル法に基づく収集・運搬料金、再商品化等料金(リサイクル料金)が必要となります。」、リンナイのカタログは「2009年4月以降より衣類乾燥機(業務用衣類乾燥機は除く)を廃棄する場合は家電リサイクル法に基づく収集・運搬料金、再商品化等料金が必要となっています。」です。東芝は、当サイトが開いた公式ページとWebカタログ P.20 では、この趣旨の文を確認できませんでした。
家電リサイクル券センター(RKC)の対象機器の見分け方では、対象は「衣類乾燥機」(電気衣類乾燥機(ドラム式)とガス衣類乾燥機)です。「いわゆる家電4品目は、家庭用機器であれば、事業所で使用されているものであっても家電リサイクル法の対象です。」一方、「業務用は対象外です」とあり、対象外の一覧には「衣類乾燥機能付き布団乾燥機」「衣類乾燥機能付き除湿器」が入っています。料金は、RKCの料金表が「品目とメーカー名(製造業者等名)でリサイクル料金が異なりますので、該当のメーカー名を以下から検索し、手続きをして下さい。」と書いています。金額は書かず、出し方は販売店と自治体に確認してください。
安全と手入れ
NITEが平成24年5月24日に出した注意喚起は、「NITE製品安全センターに通知された製品事故情報のうち、乾燥機及び除湿機の事故は、事故発生日で見ると、平成18年度から22年度に261件ありました。」と書き、種類別では「電気衣類乾燥機(48件)」「ガス衣類乾燥機(48件)」としています。平成18〜22年度の件数で、当サイトは新しい年度を確認できていません。台数は書かれておらず、方式や機種の優劣を示す数字ではありません。
衣類のオイルについては、NITEの製品安全情報マガジン Vol.406(2022年度・6月14日号)が「美容オイル(アロマオイル等)、食用油等が付着したタオルや衣類は洗濯した後でも乾燥機で乾燥させないでください。または、乾燥機にかける場合はオイルを完全に除去してください。酸化熱で自然発火するおそれがあります。」と注意しています。
手入れについて、日立の取扱説明書は「ご使用後は毎回お掃除してください。」と書き、続けて「1か月(約30回使用)ごとにフィルターセットを取り外して、念入りにお掃除してください。」と書いています(DE-N60HV・DE-N50HV は32ページ、DE-N40HX は26ページ)。目づまりしたまま使うと乾燥時間も長くなる、という説明も同じページにあります。交換頻度は当サイトは確認できませんでした。
デメリットと、数字だけで決めないほうがよい人
- この記事を読んでも機種は決まりません。公式の数字は条件がそろわず、読者の家での乾燥時間や電気代も示さないからです。選び方は「別置きの衣類乾燥機は「工事ができるか」と容量で選ぶ|3kg〜9kgをメーカー別に」、電気式3社の機能は「電気の衣類乾燥機3社の機能を公式情報で解説|日立・パナソニック・東芝の6機種」にまとめます。
- 置き場所・排湿・排水がまだ決まっていない人は、数字より先にそこを確かめたほうがよいと考えます。「衣類乾燥機を置く前に確かめる4つ|台・壁や棚の強度・アース・排湿と排水を公式の文言で確認」にまとめます。寸法は、公開済みの「ドラム式洗濯機を置けるか測る6か所|「蛇口・防水パン・搬入幅」の3つでは足りません」が参考になります。
- 乾燥を使うのが週に1〜2回の人は、部屋干しを助ける道具で足りる場合があります。除湿機の数字の読み方は「除湿機の「衣類乾燥 約54分」は何の条件か? 4社共通の試験(6畳・20℃・70%・2kg)で読み解く19行(21機種)の公式値とモードの違い」にあります。
よくある質問
Q1. 乾燥容量6kgは、6kgまで入れてよい意味ですか?
日立の取扱説明書は、標準乾燥容量(DE-N60HV は6.0kg)を超えるとドラム内の温度が高くなる場合があると注意し、しわを減らすには半分ぐらいを勧めています。
Q2. 「1時間で乾く」は、リンナイのどの機種にも当てはまりますか?
当てはまりません。「1時間」は、6kg・RDT-63・LPG・実用衣類(綿50%、化繊50%)・脱水度70%・標準コースの約60分で、同じ脚注で9kgの RDT-93 は約90分、5kgの RDT-54S-SV は約52分です。
Q3. 消費電力1180Wは、1回の電気代ですか?
いいえ。1180Wは日立の室温30℃・ヒーター「強」の消費電力(W)で、1回の電力量ではありません。日立の取扱説明書の仕様欄に、1回あたりの消費電力量の欄は見当たりません。
Q4. 古い衣類乾燥機を捨てるとき、料金はいくらですか?
金額はこの記事では書きません。衣類乾燥機は家電リサイクル法の対象(業務用は対象外)で、料金は品目とメーカー名で異なります。手続きは販売店と自治体に確認してください。
まとめ:数字の横に、条件を書き写す
日立の「6.0kg」は「乾燥布質量」の表記、リンナイの「1時間」は6kg・RDT-63・LPG・実用衣類・脱水度70%・標準コースの約60分、電気式の消費電力は室温30℃の数字(日立は20℃・5℃も公表)、リンナイの96円・149円は1回あたりで、LPG 5.9円/MJ(令和4年度)・電気31.0円/kWh・60Hz・基本料金は加算せず・リンナイ調べの試算です。パナソニックと東芝の乾燥時間の目安は当サイトは確認できていません。廃棄する(捨てる)ときは、家庭用なら家電リサイクル法の料金がかかります。
今日やることは、気になるカタログの数字の横に、量・室温・脱水・単価の条件を書き写すことです。
衣類乾燥機のシリーズ(全7本)
- 別置きの衣類乾燥機の選び方|ガス式(乾太くん)と電気式3社を公式仕様で比較
- リンナイ「乾太くん」の機能を公式情報で解説|「1時間で乾く」の条件とデラックス・スタンダードの違い
- 衣類乾燥機を置く前に確かめる4つ|台・壁や棚の強度・アース・排湿と排水を公式の文言で確認
- 電気の衣類乾燥機3社の機能を公式情報で解説|日立・パナソニック・東芝の6機種
- 衣類乾燥機の「6kg」「消費電力」「1回あたり」の読み方|捨てるときに料金がかかる理由も(この記事)
- 別置きの衣類乾燥機は「工事ができるか」と容量で選ぶ|3kg〜9kgをメーカー別に
- 衣類乾燥機の新製品(2026年9月発売)|リンナイ「温水式乾太くん」RDO-60・RDO-90
注記(測定条件)
- リンナイ:実用衣類(綿50%、化繊50%)・脱水度70%・標準コース・LPG。乾燥時間は6kgが RDT-63、9kgが RDT-93、5kgが RDT-54S-SV。1回あたりの試算の前提は本文のとおり。
- 日立:日立の全自動洗濯機で洗濯したものを「標準」コースで乾燥。室温20℃・ヒーター「強」(DE-N60HV・DE-N50HV はエアハッチを閉じた場合)。
- NITEの事故件数:平成18〜22年度。
出典(確認日:2026年10月1日)
- 日立 DE-N60HV・DE-N50HV 取扱説明書(PDF)
- 日立 DE-N40HX 取扱説明書(PDF)
- パナソニック NH-D605 製品ページ
- パナソニック NH-D605 仕様
- 東芝 機能一覧
- 東芝 寸法・仕様
- 東芝 公式Webカタログ P.20
- リンナイ 乾太くん(特長と脚注)
- リンナイ デラックスタイプ ラインアップ
- リンナイ スタンダードタイプ ラインアップ
- リンナイ ガス衣類乾燥機カタログ(PDF)
- 家電公取協 よくあるご質問
- 環境省 家電リサイクル法の概要
- 家電リサイクル券センター 対象廃棄物(家電4品目)一覧
- 家電リサイクル券センター リサイクル料金
- NITE 乾燥機及び除湿機による事故の防止について
- NITE 製品安全情報マガジン Vol.406「乾燥機の事故」


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