イヤホン・ヘッドホンの選び方|4社の公式仕様で、書いてある欄と書いていない欄を比べた

イヤホン・ヘッドホンの選び方|4社の公式仕様で、書いてある欄と書いていない欄を比べた イヤホン・ヘッドホン

本記事はアフィリエイト広告(楽天)を含みます。

ソニー・オーディオテクニカ・JVCケンウッド・パナソニックの4社22機種の公式仕様を当サイトが読み比べたところ、「再生周波数帯域」の欄は11機種にあり、10機種にはなく、残る1機種(パナソニックの RB-HF630B)は「再生周波数帯域(A2DP)」という別の名前の欄でした。欄のある・なしは、完全ワイヤレスかヘッドホンかという形では決まらず、会社と機種で分かれています。この記事では、イヤホン・ヘッドホンを1つ選ぶ人に向けて、形の決め方と、4社の仕様表で書いてある欄と書いていない欄の確かめ方を順にまとめます。

先に3行で

  1. 先に形(完全ワイヤレス/ヘッドホン/有線/耳をふさがない型)を決め、そのあとで候補の機種の公式仕様表を開いて、知りたい欄があるかを確かめます。
  2. 「再生周波数帯域」の欄は、形ではなく会社と機種で、ある・ないが分かれます(この記事で読んだ4社22機種の中で、欄があるのは11機種)。「再生周波数帯域」の数値に「(JEITA)」という条件の表記が付くのはソニーだけでした(同じ4社22機種の中で)。
  3. ソニーの完全ワイヤレス3機種(WF-1000XM6・WF-C710N・LinkBuds Clip)の仕様表にあるのは「伝送帯域(A2DP)」で、「再生周波数帯域」とは別の欄です。2つの数値を同じものとして比べないでください。
  1. まず答え:4社の仕様表を4つの軸で1枚にまとめた
  2. この記事の根拠
  3. 選び方の基本:形を決めてから、仕様表の欄を見る
    1. 形は4つ
    2. Bluetooth とコーデック
  4. 4社を1社ずつ:公式の仕様と説明
    1. ソニー:ヘッドホン2機種の数値に「(JEITA)」が付き、完全ワイヤレス3機種は「伝送帯域(A2DP)」
    2. オーディオテクニカ:完全ワイヤレスにも「再生周波数帯域」の欄があり、別売の交換部品を製品ページに書く
    3. JVCケンウッド:子ども向け2機種は85dBという数値を公表、テレビ向けの有線は延長コード付き
    4. パナソニック〈Technics〉:同じ位置の欄の名前が機種で違い、充電ケースの質量は仕様表にある
  5. 項目別に見る:公表している欄そのものが違う
    1. 「再生周波数帯域」の欄がある機種・ない機種
    2. 「再生周波数帯域」と「伝送帯域」は別の欄
    3. 質量の書き方は会社で違う
    4. 再生時間は条件ごとに読む
  6. 充電:時間・急速充電・ワイヤレス充電の書き方
  7. 用途別:公式の仕様から候補を挙げる
    1. 家で音楽を聴く
    2. テレビの音を1人で聴く
    3. 持ち歩く
    4. 子どもに使わせる
  8. デメリット・向いていない人
    1. 買わなくてよい人
  9. 買う前の注意
    1. 技適マーク(総務省の案内)
    2. リチウムイオン電池(NITE の注意喚起)
    3. 消耗品
  10. よくある質問
    1. 完全ワイヤレスイヤホンには「再生周波数帯域」が書かれていないのですか?
    2. 「再生周波数帯域」と「伝送帯域」は同じものですか?
    3. 数値のうしろの「(JEITA)」は何ですか?
  11. まとめ:今日やることは1つ
  12. イヤホン・ヘッドホンのシリーズ(全7本)
  13. 注記:数字の細かい条件
  14. 出典

まず答え:4社の仕様表を4つの軸で1枚にまとめた

当サイトは実機を持っていないため、音の良し悪しや着け心地では印を付けていません。下の表は、公式ページにその欄や案内があるかという、だれでも確かめられる事実だけをまとめたものです。印は文字で書き、優劣の記号は使っていません。

確かめた軸 ソニー(6機種) オーディオテクニカ(6機種) JVCケンウッド(6機種) パナソニック〈Technics を含む〉(4機種)
(a)「再生周波数帯域」の欄 機種による(あり2・なし4) 機種による(あり5・なし1) 機種による(あり4・なし2) 機種による(3機種はなし。RB-HF630B の1機種は「再生周波数帯域(A2DP)」という名前の欄)
(b) その数値に付く測定条件の表記 あり(欄がある2機種とも「(JEITA)」) なし(欄がある5機種とも) なし(欄がある4機種とも) 測定規格の表記はなし(RB-HF630B は欄の名前に「(A2DP)」が付く)
(c) 充電ケースの質量(充電ケースが付く各社3機種) なし(3機種とも仕様表に欄がない) あり(3機種とも) あり(3機種とも) あり(3機種とも)
(d) 交換用の消耗品(イヤーピース・イヤパッドなど)の案内 見つけられず(6機種の製品トップと仕様ページの範囲) 機種による(あり5・なし1) 機種による(完全ワイヤレス3機種はあり。ヘッドホン3機種は見つけられず) 見つけられず(4機種の製品ページと仕様ページの範囲)

表の機種数は、2026年10月1日に公式の製品ページを開けた次の22機種です。ソニー6機種(WH-1000XM6・WH-CH730N・WH-CH530・WF-1000XM6・WF-C710N・LinkBuds Clip)、オーディオテクニカ6機種(ATH-M50x・ATH-M50xBT2・ATH-AL5NC・ATH-CKS50TW2・ATH-TWX9MK2・ATH-AC5TW)、JVCケンウッド6機種(HA-KD10W・HA-KS2・HA-RZ910・HA-A5T・HA-XC62T・HA-XC90T)、パナソニック4機種(EAH-AZ100・EAH-AZ40M2・RB-C10・RB-HF630B)。各社の全機種ではありません。表の中の見つけられずは、当サイトが読んだページの範囲に案内がなかったという意味で、その会社が消耗品を扱っていないという意味ではありません。

この4つの軸は、シリーズの結論の記事「形で選ぶイヤホン・ヘッドホンのおすすめ|完全ワイヤレス・ヘッドホン・有線・耳をふさがない型をメーカー別に」でも同じものを使います。

迷ったらこの3行

  • 音の範囲を数値で見たい人は、「再生周波数帯域」の欄がある機種(ソニー WH-1000XM6、オーディオテクニカ ATH-M50x など11機種)から探します。条件の表記が会社で違うため、会社をまたいだ数値の大小は比べられません。
  • 充電ケースごと持ち歩く重さを知りたい人は、充電ケースの質量が仕様表にある3社(オーディオテクニカ・JVCケンウッド・パナソニック)の、この記事で読んだ各3機種なら、買う前に数字で確かめられます。
  • 長く使うつもりの人は、交換用のイヤーピースやイヤパッドが製品ページに載っているかを先に見ます。

この記事の根拠

根拠にしたのは、ソニー・オーディオテクニカ・JVCケンウッド・パナソニック(Technics を含む)の公式の製品ページと仕様ページ、総務省の「技適マークのQ&A」、NITE(製品評価技術基盤機構)の発表です。JEITA という名称は JEITA の公式サイトで確かめました。確認日はすべて2026年10月1日です。通販サイトの商品説明やレビューは使っていません。

当サイトはこれらの機種の実機を持っておらず、音質・装着感・ノイズキャンセリングの効き方は比べていません。各社の機能の説明は「」で公式の文をそのまま引き、当サイトの評価は加えていません。価格は扱いません。記事の中の商品カードに出る価格は販売店の表示で、日々変わります。

選び方の基本:形を決めてから、仕様表の欄を見る

形は4つ

当サイトは、読んだ4社22機種を次の4つの形に分けました。

形 どんなものか この記事で読んだ機種の例
完全ワイヤレス 左右が分かれた耳に入れる型。充電ケースが付く ソニー WF-1000XM6、オーディオテクニカ ATH-CKS50TW2、JVC HA-A5T、Technics EAH-AZ100
ヘッドホン(無線) 頭にかけるヘッドバンド型で、Bluetooth でつなぐ ソニー WH-1000XM6、オーディオテクニカ ATH-M50xBT2
有線 コードで機器につなぐ。充電が要らない オーディオテクニカ ATH-M50x、JVC HA-RZ910
耳をふさがない型 耳の穴に入れず、耳にはさむ・かける ソニー LinkBuds Clip、オーディオテクニカ ATH-AC5TW、パナソニック RB-C10

家で座って聴くなら有線やヘッドホン、外へ持ち出すなら完全ワイヤレス、周りの音も聞きたいなら耳をふさがない型、という分け方です。着け心地は当サイトは比べていないので、店頭で試せるなら試してから決めることをおすすめします。ソニー LinkBuds Clip は耳をふさがない型の完全ワイヤレスで、この記事ではソニーの完全ワイヤレス3機種にも数えています。

Bluetooth とコーデック

無線の機種は、スマートフォンやテレビと Bluetooth という無線の規格でつながります。仕様表には「対応コーデック」という欄があり、ソニーの仕様ページはこの語に「音声圧縮変換方式のこと」と注を付けています。SBC・AAC・LDAC・LC3 などがあります。

コーデックは、送る側(スマートフォンなど)と受ける側(イヤホン)の両方が同じものに対応しているときに使えます。買う前に、自分のスマートフォンの仕様も確かめてください。当サイトは、コーデックの種類で音の優劣を判断していません。

4社を1社ずつ:公式の仕様と説明

ソニー:ヘッドホン2機種の数値に「(JEITA)」が付き、完全ワイヤレス3機種は「伝送帯域(A2DP)」

ソニーは、読んだ6機種のうちヘッドバンド型の WH-1000XM6 と WH-CH730N の2機種に「再生周波数帯域」の欄があり、数値には2機種とも「(JEITA)」が付いています。完全ワイヤレスの WF-1000XM6・WF-C710N・LinkBuds Clip の3機種と、ヘッドバンド型の WH-CH530 には、この欄がありません。4機種の仕様表で音の範囲に関わる欄は「伝送帯域(A2DP)」で、WF-1000XM6 は「20 Hz – 20,000 Hz (44.1 kHz sampling), 20 Hz – 40,000 Hz (LDAC 96 kHz sampling 990 kbps)」、WF-C710N は「20 Hz – 20,000 Hz (44.1 kHz sampling)」と書かれています。

LDAC について、ソニー公式は WH-1000XM6 の特長ページでこう説明しています。「LDAC対応機器との接続なら、ハイレゾコンテンツを従来のBluetooth(R)Audioの最大約3倍(*2)の情報量で伝送できるので、ハイレゾコンテンツも原音の細かい表現まで忠実に再現された音質でお楽しみ頂けます。」(文中の注番号「(*2)」は原文のままです)。読んだ6機種で対応コーデックに LDAC が入っているのは WH-1000XM6 と WF-1000XM6 の2機種(「SBC, AAC, LDAC, LC3」)で、WF-C710N は「SBC, AAC」です。

WH-CH730N と WH-CH530 の特長ページには、同じ文で「最大音量を制限できる音量設定機能。アプリ(Sony Sound Connect)から5段階で最大音量を設定可能。音量の上げすぎを防いで使用できます。」とあります。

オーディオテクニカ:完全ワイヤレスにも「再生周波数帯域」の欄があり、別売の交換部品を製品ページに書く

オーディオテクニカは、読んだ6機種のうち5機種に「再生周波数帯域」の欄があり、完全ワイヤレスの ATH-CKS50TW2 と ATH-TWX9MK2 もその中に入ります。欄がないのは耳をふさがない型の ATH-AC5TW の1機種でした。5機種とも、数値に測定条件の表記は付いていません。

ATH-M50x について、オーディオテクニカ公式は「メンテナンスが手軽に行なえる着脱コード(バヨネット式ロック機構)を採用」「利用シーンに合わせて選べる3本の着脱コードが付属しています。」と説明しています。仕様の別売の欄には「交換イヤパッド HP-M50x」があります。無線の ATH-M50xBT2 については「1.2mコードを付属し、電池が切れても有線接続で使用できます。」と説明しています。

完全ワイヤレスの2機種も、別売の欄に交換用のイヤピースが書かれています(ATH-CKS50TW2 は ER-TW32、ATH-TWX9MK2 は ER-TW31 など)。ATH-AC5TW の製品ページには別売の欄がありませんでした。

JVCケンウッド:子ども向け2機種は85dBという数値を公表、テレビ向けの有線は延長コード付き

JVCケンウッド(JVC ブランド)は、読んだ6機種のうち4機種(HA-KD10W・HA-KS2・HA-RZ910・HA-A5T)に「再生周波数帯域」の欄があり、数値に測定条件の表記は付いていません。HA-A5T は完全ワイヤレスです。同じ完全ワイヤレスでも HA-XC62T と HA-XC90T の2機種には、この欄がありません。

子ども向けの無線ヘッドホン HA-KD10W について、JVC公式は見出しに「大音量によるダメージから子どもの耳を守る音量制限機能」と掲げ、「音圧レベルを最大85dB※1の低感度に設計。子どもが誤ってボリュームを上げても耳にダメージを与えにくい子ども専用設計で、健康な耳を守るために音量に配慮をしました。」「※1:EN71-1に基づく。85dBは走行中の電車の車内音程度の音量です。」と説明しています。有線の HA-KS2 は仕様の出力音圧レベルが「85dB/1mW」です。これらはメーカーの説明で、当サイトは耳の健康への効果を確かめていません。

有線の HA-RZ910 について、JVC公式は「使いやすい片側1.2mコード+大画面視聴にも便利な延長2.3mコード」と説明しています。完全ワイヤレス3機種の製品ページには交換用イヤーピースの案内があります(HA-A5T と HA-XC62T は EP-FX2、HA-XC90T は EP-FX11 など)。HA-XC90T は、2026年10月1日の時点で公式の製品ページに本体の購入枠が見当たらなかったため、この記事では候補に挙げていません。

パナソニック〈Technics〉:同じ位置の欄の名前が機種で違い、充電ケースの質量は仕様表にある

パナソニックは、Technics ブランドの完全ワイヤレス EAH-AZ100・EAH-AZ40M2、パナソニックブランドの耳をふさがない型 RB-C10、ヘッドホン RB-HF630B の4機種を読みました。Technics の2機種の仕様ページに「再生周波数帯域」の欄はありません。RB-C10 の仕様表には「伝送帯域」の欄があり「20Hz~20,000Hz」、RB-HF630B の仕様表には Bluetooth の区分に「再生周波数帯域(A2DP)」という欄があり、数値は同じ「20Hz~20,000Hz」です。同じ会社の中でも、欄の名前が機種で違っています。

EAH-AZ100 について、Technics 公式は「高い剛性を持ち、高解像な音を実現する特殊アルミ振動板に加えて、AZ100ではボイスコイル部の磁気キャップに磁性流体を充填。」と説明しています。

パナソニックのヘッドホン・イヤホンの総合ページには、次の注意書きがあります。「ノイズキャンセリング機能はすべての雑音が消されるものではありません。静かな場所などや雑音の種類によっては、効果が感じられない、または雑音が大きく感じる場合があります。また、感じかたには個人差があります。」

同じページの新着情報に載っているヘッドホン EAH-A1000 は2026年11月発売(発売前)のため、この記事の22機種には入れていません。

項目別に見る:公表している欄そのものが違う

「再生周波数帯域」の欄がある機種・ない機種

欄があった機種を、数値と条件の表記を分けて並べます。条件の表記が違う数値は、同じものさしで比べられません。

会社 機種 形 欄の数値 測定条件の表記
ソニー WH-1000XM6 ヘッドホン(無線) 「4 Hz – 40,000 Hz (JEITA)」 あり「(JEITA)」
ソニー WH-CH730N ヘッドホン(無線) 「6 Hz – 20 000 Hz (JEITA)」 あり「(JEITA)」
オーディオテクニカ ATH-M50x 有線 「15~28,000Hz」 なし
オーディオテクニカ ATH-M50xBT2 ヘッドホン(無線) 「15~28,000Hz」 なし
オーディオテクニカ ATH-AL5NC ヘッドホン(無線) 「20~40,000Hz」 なし
オーディオテクニカ ATH-CKS50TW2 完全ワイヤレス 「5~20,000Hz」 なし
オーディオテクニカ ATH-TWX9MK2 完全ワイヤレス 「10~40,000Hz」 なし
JVCケンウッド HA-KD10W ヘッドホン(無線・子ども向け) 「20Hz – 20,000Hz」 なし
JVCケンウッド HA-KS2 有線(子ども向け) 「15Hz ~ 23,000Hz」 なし
JVCケンウッド HA-RZ910 有線 「7Hz ~ 26,000Hz」 なし
JVCケンウッド HA-A5T 完全ワイヤレス 「20Hz – 20,000Hz」 なし

欄がなかったのは次の10機種です。ソニー4機種(WF-1000XM6・WF-C710N・LinkBuds Clip・WH-CH530)、オーディオテクニカ1機種(ATH-AC5TW)、JVCケンウッド2機種(HA-XC62T・HA-XC90T)、パナソニック3機種(EAH-AZ100・EAH-AZ40M2・RB-C10)。残る1機種のパナソニック RB-HF630B は、欄の名前が「再生周波数帯域(A2DP)」でした。

完全ワイヤレスでも、オーディオテクニカ ATH-CKS50TW2・ATH-TWX9MK2 と JVC HA-A5T の3機種には欄があり、ソニーの3機種にはありません。ヘッドホンでも、ソニー WH-CH530 にはありません。

「再生周波数帯域」と「伝送帯域」は別の欄

2つの欄が別のものだと分かるのは、同じ1台の仕様表に両方が載っていて、数値が違うからです。ソニー WH-1000XM6 は「再生周波数帯域」が「4 Hz – 40,000 Hz (JEITA)」、「伝送帯域(A2DP)」が「20 Hz-20,000 Hz(44.1 kHzサンプリング時) 20 Hz-40,000 Hz(LDAC 96 kHz 990 kbpsサンプリング時)」です。オーディオテクニカ ATH-M50xBT2 は「再生周波数帯域」が「15~28,000Hz」、「伝送帯域」が「20~40,000Hz(LDAC 96kHz サンプリング、990kbps時) 20~20,000Hz(44.1kHz サンプリング時)」です。

「伝送帯域」は、どちらの会社の仕様表でも Bluetooth の通信に関する区分に置かれ、サンプリング周波数やコーデックの条件が添えられています。当サイトは、これを Bluetooth で送る信号の範囲を示す欄と読んでいます。40,000Hzまでという同じ数字でも、欄が違えば別の数値なので、会社や機種をまたいで同じ列に並べないでください。

「(JEITA)」は、確認した4社22機種の中ではソニーの「再生周波数帯域」の数値にだけ付いていました。JEITA は一般社団法人 電子情報技術産業協会の略称です。ソニーの仕様ページの中に、「(JEITA)」がどの測定方法を指すかの説明文は見つけられませんでした。

質量の書き方は会社で違う

完全ワイヤレスの質量は、4社で書き方が違います。

会社・機種 仕様表の質量の書き方 充電ケースの質量
ソニー WF-1000XM6 「約 6.5 g x 2 (イヤーピース(M)含む)」 仕様表に欄なし
オーディオテクニカ ATH-CKS50TW2 「イヤホン:約7.2g(L側)、約7.2g(R側) 充電ケース:約51.5g」 あり
JVC HA-A5T 「イヤホン:約3.9g(片耳) × 2個、充電ケース:約27.9g」 あり
Technics EAH-AZ100 「イヤホン:約5.9 g(片側のみ:LR同値)、充電ケース:約42 g」 あり

持ち歩く重さは充電ケース込みで決まります。ソニーの3機種(WF-1000XM6・WF-C710N・LinkBuds Clip)は、仕様表だけではその重さが分かりません。

再生時間は条件ごとに読む

電池で聴ける時間は、どの会社も条件を付けて書いています。条件が違う数値は並べて比べられません。

会社・機種 公式の表記 付いている条件
ソニー WF-1000XM6 「最大8時間 (NCオン) / 最大12時間 (NCオフ)」 ノイズキャンセリングのオン・オフ別
オーディオテクニカ ATH-CKS50TW2 ノイズキャンセリングON時「最大約15時間(イヤホン)」、OFF時「最大約25時間(イヤホン)」 ノイズキャンセリングのオン・オフ別。「使用条件により異なります。」
JVC HA-A5T 「イヤホン:約5時間※1、充電ケース:約10時間※1」 「※1:使用条件により変わります。」
Technics EAH-AZ100 「約10.0 時間(ノイズキャンセリングON、AAC)」 ノイズキャンセリングONで、コーデックが AAC のとき

Technics はコーデックまで条件に書き、ソニーとオーディオテクニカはノイズキャンセリングのオン・オフで分けています。JVC HA-A5T はノイズキャンセリングの記載がない機種です。数字の大きさだけを横に並べて、どれが長いと決めることはできません。

充電:時間・急速充電・ワイヤレス充電の書き方

イヤホンとヘッドホンの仕様表で電気に関わるのは、充電の欄です。

会社・機種 充電時間 短い充電で使える時間の説明 ワイヤレス充電の記載
ソニー WF-C710N 「約1.5時間」 「5分の充電で1時間再生が可能なクイック充電(*)にも対応。」 充電方法は「USB充電 (ケース使用)」
オーディオテクニカ ATH-CKS50TW2 充電ケース「約4.0時間(USB充電時)」「約7.5時間(ワイヤレス充電時)」 「約5分の充電で、約90分間の使用ができます(ノイズキャンセリングOFF時)」 あり(充電時間の欄にワイヤレス充電時の時間)
JVC HA-A5T 「イヤホン:約2時間※1、充電ケース:約2.5時間※1」 製品ページに見つけられず 製品ページに見つけられず
Technics EAH-AZ100 「イヤホン+充電ケース(同時充電):約3.0 時間」 「15 分充電、約90 分(ノイズキャンセリングON、AAC)」 製品ページのラインナップ表でワイヤレス充電(Qi)対応の行に丸印

短い充電で使える時間も、条件が会社で違います。オーディオテクニカ ATH-CKS50TW2 はノイズキャンセリングOFF時、Technics EAH-AZ100 はノイズキャンセリングONでコーデックが AAC のときの数値です。ソニー WF-C710N の文には「(*)」の注が付いているので、条件は公式ページで確かめてください。ソニー WF-1000XM6 は、仕様表の充電方法が「USB充電 / ワイヤレス充電 (ケース使用)」です。有線の機種(ATH-M50x・HA-RZ910 など)は充電が要りません。

用途別:公式の仕様から候補を挙げる

公式の仕様に書かれている事実(コードの長さ・欄の有無・充電ケースの質量など)を理由に、用途ごとの候補を挙げます。音の好みでは選んでいません。

家で音楽を聴く

家の中だけで使うなら、充電の要らない有線か、有線でもつなげる無線のヘッドホンが候補になります。オーディオテクニカ ATH-M50x は有線で、仕様表に「再生周波数帯域」の欄があり、別売の交換イヤパッドも製品ページに載っています。無線の ATH-M50xBT2 は、公式が「1.2mコードを付属し、電池が切れても有線接続で使用できます。」と説明しています。ソニー WH-1000XM6 も、コード長「約 1.2 m」の着脱式コードで有線接続ができます。

テレビの音を1人で聴く

テレビの音を聞きやすくする方法には、サウンドバーのように部屋に置く方法と、ヘッドホンのように耳に着ける方法があり、この記事が扱うのは耳に着ける方法です。有線でつなぐなら、座る場所からテレビまで届くコードの長さを先に測ります。JVC HA-RZ910 はコードが1.2mで、付属品に「2.3m 延長コード(24金メッキステレオミニジャック/ミニプラグ)」があります。オーディオテクニカ ATH-M50x は、付属の着脱コード3本のうち1本が3.0mのストレートコードです。

無線でつなぐ場合は、テレビが Bluetooth の音声の送信に対応しているかを、テレビの取扱説明書で確かめてください。当サイトは、テレビとつないだときの音の遅れを確かめていません。

持ち歩く

外へ持ち出すなら完全ワイヤレスが候補です。充電ケースごとの重さを買う前に知りたい人は、仕様表に充電ケースの質量がある機種から選べます。オーディオテクニカ ATH-CKS50TW2 は充電ケース「約51.5g」、JVC HA-A5T は「約27.9g」、Technics EAH-AZ100 は「約42 g」です。3機種は機能も電池の持ちも違うので、軽いほうがよいという意味ではありません。ノイズキャンセリングの記載は ATH-CKS50TW2 と EAH-AZ100 にあり、HA-A5T にはありません。

子どもに使わせる

当サイトが確認した範囲(この記事で読んだ4社22機種)で、子ども向けとして85dBという数値を公表していたのは、JVC の HA-KD10W(無線)と HA-KS2(有線)の2機種でした。HA-KD10W は公式が「音圧レベルを最大85dB※1の低感度に設計。」と書き、規格名(EN71-1)を添えています。HA-KS2 は公式が「子どもが誤ってボリュームを上げても耳にダメージを与えにくい低音量85dBに設計しています。」と説明し、仕様の出力音圧レベルは「85dB/1mW」です。HA-KS2 の製品ページには、音量の数値に添えた規格名は見つけられませんでした。対象年齢が書かれているのは有線の HA-KS2 で、「※本製品の対象年齢は3才以上です。」とあります。HA-KD10W の製品ページに対象年齢の記載は見つけられませんでした。

音量を制限する機能そのものは JVC に限りません。ソニー WH-CH730N と WH-CH530 にも、アプリから5段階で最大音量を設定する機能があります。どのくらいの音量や時間なら問題がないかは、当サイトには判断できません。

デメリット・向いていない人

  • 仕様表だけでは決められないことがあります。音の好み、着け心地、ノイズキャンセリングの効き方は、公式の数値からは分かりません。当サイトも比べていません。
  • 完全ワイヤレスは、電池と小さな部品が前提です。充電が切れると使えず、左右が分かれているので片方をなくすことがあります。充電の手間を増やしたくない人には、有線が向いています。
  • ノイズキャンセリングは万能ではありません。パナソニック公式は「ノイズキャンセリング機能はすべての雑音が消されるものではありません。」と書いています。

買わなくてよい人

いま使っているイヤホンに不満がなく、電池の持ちも足りている人は、買い替える必要はありません。テレビの音を家族みんなで聞きやすくしたい人は、耳に着けるものではなく、部屋に置くスピーカーのほうが目的に合います。

買う前の注意

技適マーク(総務省の案内)

総務省の「技適マークのQ&A」は、Bluetooth 機器についてこう案内しています。「イヤホン、スピーカー、マウス、キーボードなど、様々なBluetooth機器にも技適マークがついています。技適マークの付いてないBluetooth機器の使用は電波法違反となる恐れがあります。なお、充電ケース及び取扱説明書に表示している機器もあります。」

受信するだけの機器に見えるイヤホンにも要る理由は、同じページの回答33に「Bluetoothの機器は、スマートフォンやPC等と接続する際に、機器を識別するための信号を出すため、必ず電波を発射します。よって、Bluetoothスピーカー・イヤホン等にも技適マークが必要となります。」とあります。総務省は「購入しようとする無線機に技適マークが付いているかどうかをご確認下さい。」と案内しています。当サイトは、個別の商品に技適マークがあるかどうかを判定していません。

リチウムイオン電池(NITE の注意喚起)

無線のイヤホン・ヘッドホンは、リチウムイオン電池などの充電池を内蔵しています。NITE は2025年6月26日の発表で「2020年から2024年までの5年間にNITE(ナイト)に通知された製品事故情報※1では、「リチウムイオン電池搭載製品」の事故※2は1860件ありました。」と公表しています。この1860件は「リチウムイオン電池搭載製品」全体の件数で、イヤホン・ヘッドホンだけの件数ではありません。注記の※2には「事故件数の中には、調査中の事故や原因は特定されていないがリチウムイオン電池に起因した可能性があると推定される事故も含みます。」とあります。

NITE が挙げる3つのポイントのうち、買うときと使うときに関わるのは次の文です。「連絡先が確かなメーカーや販売店から購入する。」「高温下に放置するなどして熱を与えない。」「強い衝撃を与えない。」「充電・使用時は時々様子を見て、異常を感じたらすぐに充電・使用を中止する。」

消耗品

イヤーピースやイヤパッドは、使ううちに傷む部品です。交換用の案内が製品ページにあったのは、オーディオテクニカの5機種(ATH-M50x・ATH-M50xBT2・ATH-AL5NC・ATH-CKS50TW2・ATH-TWX9MK2)と、JVCケンウッドの完全ワイヤレス3機種(HA-A5T・HA-XC62T・HA-XC90T)でした。ソニーとパナソニックは、当サイトが読んだページの範囲では見つけられませんでした。

よくある質問

完全ワイヤレスイヤホンには「再生周波数帯域」が書かれていないのですか?

会社と機種によります。この記事で読んだ4社22機種の中では、オーディオテクニカ ATH-CKS50TW2(「5~20,000Hz」)・ATH-TWX9MK2(「10~40,000Hz」)と JVC HA-A5T(「20Hz – 20,000Hz」)の完全ワイヤレス3機種に欄がありました。ソニーの完全ワイヤレス3機種(WF-1000XM6・WF-C710N・LinkBuds Clip)、JVC HA-XC62T・HA-XC90T、Technics EAH-AZ100・EAH-AZ40M2、耳をふさがない型のオーディオテクニカ ATH-AC5TW・パナソニック RB-C10 には欄がありませんでした。

「再生周波数帯域」と「伝送帯域」は同じものですか?

別の欄です。ソニー WH-1000XM6 とオーディオテクニカ ATH-M50xBT2 は、1台の仕様表に両方の欄があり、数値が違います。「伝送帯域」は Bluetooth の通信に関する区分にあり、サンプリング周波数やコーデックの条件が添えられています。2つの数値を同じ列に並べて比べないでください。

数値のうしろの「(JEITA)」は何ですか?

JEITA は一般社団法人 電子情報技術産業協会の略称です。この記事で読んだ4社22機種の中では、ソニー WH-1000XM6 と WH-CH730N の「再生周波数帯域」の数値にだけ付いていました。ソニーの仕様ページの中に、どの測定方法を指すかの説明文は見つけられませんでした。オーディオテクニカと JVCケンウッドの数値には条件の表記がないため、ソニーの数値と大小を比べることはできません。

まとめ:今日やることは1つ

候補の機種が決まったら、公式の仕様ページを開いて、音の範囲に関わる欄の名前が「再生周波数帯域」なのか「伝送帯域」なのかを1つ確かめてください。この記事で読んだ4社22機種の中では、「再生周波数帯域」の欄があるのは11機種で、形ではなく会社と機種で分かれていました。「再生周波数帯域」の数値に「(JEITA)」と条件が付くのはソニーだけ(同じ4社22機種の中で)で、条件の表記が違う数値は会社をまたいで比べられません。

この記事は実機を使った比較ではなく、公式の仕様と説明を当サイトが読み比べたものです。

イヤホン・ヘッドホンのシリーズ(全7本)

  1. イヤホン・ヘッドホンの選び方|4社の公式仕様で、書いてある欄と書いていない欄を比べた(この記事)
  2. ソニーのイヤホン・ヘッドホンの機能を公式情報で解説|LDAC・ノイズキャンセリング・「(JEITA)」の意味
  3. オーディオテクニカのヘッドホン・イヤホンの機能を公式情報で解説|ATH-M50xの有線と無線の違い
  4. JVCケンウッドのイヤホン・ヘッドホンの機能を公式情報で解説|子ども向けの音量制限と重低音のXXシリーズ
  5. イヤホンの仕様表の読み方|「再生周波数帯域」と「伝送帯域」は別の欄です
  6. 形で選ぶイヤホン・ヘッドホンのおすすめ|完全ワイヤレス・ヘッドホン・有線・耳をふさがない型をメーカー別に
  7. イヤホン・ヘッドホンの新製品(2026年8月〜9月発表)|ソニー・オーディオテクニカ・Victor・Technics

注記:数字の細かい条件

  • 「」の中は、2026年10月1日に公式ページにあった表記をそのまま写したものです。全角・半角やスペースも原文のままです。
  • ソニー WH-1000XM6・WF-1000XM6 とオーディオテクニカ ATH-M50xBT2 の「伝送帯域」の40,000Hzまでの数値は、LDAC・96kHz・990kbps のときの条件付きです。

出典

確認日はすべて2026年10月1日です。

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