ドラム式と縦型どっちがいい? 同じ12kgで比べたら通説が逆でした

洗濯機

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「ドラム式は乾燥に電気を使うから、縦型のほうがランニングコストは安い」——洗濯機を買うときによく聞く話です。ところが、同じメーカーの同じ洗濯12kgどうしで公式の数値を並べたところ、この話は成り立ちませんでした。東芝の12kgで比べると、洗濯から乾燥まで1回まわしたときの水はドラム式61L対タテ型120L、電気代は約41円対約88円。水も電気もドラム式のほうが少なかったのです。

この記事で分かること(3行)

  1. 東芝の洗濯12kg同士で比べると、洗濯~乾燥1回の水は61L対120L、電気代は約41円対約88円。水も電気もドラム式のほうが少ない。毎日1回なら年間で約17,200円の差になります。
  2. ただし「洗濯だけ」なら差はほぼゼロ。パナソニックの12kgで68Wh対70Wh、1回あたり約0.06円の差しかありません。通説はここから生まれたと考えると説明がつきます。
  3. 本当に選択を分けるのは電気代ではなく「置けるかどうか」。ドラム式を別売品なしで置ける蛇口の高さの基準は、数値を公表している4社で110cm~137cmと27cmも違います。
ドラム式と縦型の選び方の結論を1枚にまとめた図。乾燥を毎日使うならドラム式(洗濯~乾燥1回の電気代は約41円、同じ東芝の縦型は約88円)、洗って干すだけなら縦型(洗濯だけなら電気代の差はほぼゼロ)、迷うなら先に蛇口の高さを測る(ドラム式が置ける基準は4社で110~137cm)と判定する
決め手は「乾燥を毎日使うか」の1点(各社公式の仕様値より・2026年8月15日確認)

この記事の立場:当サイトはここで扱う洗濯機を購入・使用していません。数値はすべて各メーカーの公式ページで2026年8月15日に確認したもので、実測値や使用感の体験談は一切書いていません。価格は変動するため本記事では扱いません。電気代は各社公式の消費電力量に31円/kWh(税込・全国家庭電気製品公正取引協議会の新電力料金目安単価)を掛けて当サイトが計算した目安です。

  1. 結論:決め手は「乾燥を毎日使うか」の1点
  2. 「ドラム式は電気を食う」は本当か——同じメーカー・同じ12kgで確かめた
    1. 洗濯だけなら、水は減るが電気代はほぼ同じ
    2. 乾燥まで使うと、水も電気も縦型のほうが多くなる
    3. この比較で必ず併記すべきこと:乾燥容量が違う
  3. 「ドラム式なら安い」も成り立たない——同じドラム式の中で2.25倍の差
    1. 節電コースを使うと数字が変わる——電気と時間のトレードオフ
  4. 本当の分かれ道は「置けるか」——蛇口の高さの基準が4社で27cm違う
    1. 蛇口(水栓)の高さ——110cmから137cmまで
    2. 防水パンの内寸
    3. 搬入経路の幅
    4. 「見つからなかった」と「無い」は違います
  5. 3つの質問で決める
  6. 代表機種:ドラム式3機種・縦型2機種
    1. シャープ ES-12X1|電気をいちばん抑えたい人へ(ドラム式)
    2. パナソニック NA-LX129EL|速さと電気のバランス型(ドラム式)
    3. 東芝 TW-127XP5|とにかく速く終わらせたい人へ(ドラム式)
    4. パナソニック NA-FA12V6|洗って干す人の第一候補(縦型)
    5. 東芝 AW-12VP4|縦型のまま乾燥もたまに使いたい人へ
  7. こんな人にはこれ
  8. よくある質問
    1. Q1.ドラム式と縦型、電気代が安いのはどっちですか?
    2. Q2.縦型のほうが水道代が安いと聞きました。本当ですか?
    3. Q3.蛇口が低くてドラム式は置けないと言われました。あきらめるしかない?
    4. Q4.洗濯機は何kgを選べばいいですか?
    5. Q5.ドラム式は縦型より汚れ落ちが悪いのでは?
  9. この記事のつづき(洗濯機の記事)
  10. まとめ
  11. 出典

結論:決め手は「乾燥を毎日使うか」の1点

ドラム式洗濯機とは、横向きのドラムを回転させ、衣類を持ち上げて落とす動きで洗う洗濯機のことです。縦型洗濯機とは、底の羽根を回転させて水流をつくり、衣類どうしをこすり合わせて洗う洗濯機のことです。

日立は公式のQ&Aで、両者の洗い方をこう説明しています(2026年8月15日確認)。

  • ドラム式:「ドラムを回転させて押して、たたいて、もみ洗い」「洗剤液を循環させて少ない水で洗える」
  • タテ型(節水タイプ):「底にある独自形状の羽根を回転させて押して、たたいて、もみ洗い」「洗剤液を循環させて少ない水で洗える」
  • タテ型(標準タイプ):「底にある羽根を回転させてかくはん洗い」「たっぷり水をためて洗う」
ドラム式の洗い方を横から描いた図。横向きのドラムが回転する矢印が描かれ、底のほうにだけ水がたまっている。
出典:日立「ドラム式とタテ型の違いは?」(2026-08-18確認)。画像は改変していません。
タテ型(節水タイプ)の洗い方を描いた図。槽の底にある回転羽根に引き出し線が付き、水は衣類が浸る程度までしか入っていない。
出典:日立「ドラム式とタテ型の違いは?」(2026-08-18確認)。画像は改変していません。
タテ型(標準タイプ)の洗い方を描いた図。槽の底にある回転羽根に引き出し線が付き、槽の上のほうまで水がたまっている。
出典:日立「ドラム式とタテ型の違いは?」(2026-08-18確認)。画像は改変していません。

つまりタテ型にも「少ない水で洗うタイプ」と「たっぷり水をためるタイプ」の2種類があるというのが、公式の説明です。「縦型=水をたくさん使う」と一括りにはできません。

そのうえで、当サイトの結論は次の3つです。

あなたの使い方 選ぶべきは 理由(この記事で示す数値)
乾燥まで毎日(または週の大半で)使う ドラム式 洗濯~乾燥1回で水61L・電気代約41円。同じ東芝のタテ型は120L・約88円
洗って干す(乾燥は使わない) 縦型(全自動) 洗濯だけなら電気代の差はほぼゼロ。本体は29〜38kg軽く、設置の条件もゆるい
乾燥はたまに使う/まだ決められない 先に蛇口の高さを測る ドラム式が置ける高さの基準は4社で110~137cm。置けないなら議論する意味がない

まとめると、この記事で比べるべきは「電気代」ではなく「乾燥を毎日使うか」と「置けるか」の2つです。以下で、その根拠を順に見ていきます。

「ドラム式は電気を食う」は本当か——同じメーカー・同じ12kgで確かめた

比較のときにいちばん多い間違いは、メーカーも容量も違う機種を並べてしまうことです。そこで当サイトは、同じメーカー・同じ洗濯容量12kgという条件で並べました。

洗濯だけなら、水は減るが電気代はほぼ同じ

まずパナソニックの12kg同士です。ドラム式のNA-LX129ELと、全自動(縦型)のNA-FA12V6を、どちらも「洗濯だけ」の条件で比べます。

項目 ドラム式 NA-LX129EL 全自動(縦型) NA-FA12V6
洗濯・脱水容量 12kg 12kg
標準使用水量(洗濯時) 83L 139L
消費電力量(洗濯時) 68Wh 70Wh
1回あたりの電気代(当サイト計算) 約2.1円 約2.2円
標準時間(洗濯時) 32分 36分
質量 81kg 51kg

出典:パナソニック「NA-LX129EL 仕様」「NA-FA12V6 仕様」(2026年8月15日確認)

水は56Lの差がつくのに、電気代の差は1回あたり約0.06円しかありません。毎日回しても年間22円ほどです。

「洗濯だけで比べれば、ドラム式と縦型の電気代はほぼ同じ」——これが事実です。ここまでは通説と矛盾しません。問題はこの先です。

乾燥まで使うと、水も電気も縦型のほうが多くなる

次に東芝です。東芝はドラム式もタテ型も洗濯12kgの機種を出しているので、乾燥まで含めた比較ができます。

項目 ドラム式 TW-127XP5 タテ型 AW-12VP4
洗濯容量 12kg 12kg
乾燥容量 7kg 6kg
乾燥方式(公式の呼び名) ふんわリッチ速乾(ヒートポンプ除湿乾燥) ハイブリッド乾燥
標準使用水量(洗濯~乾燥時) 約61L 約120L
消費電力量(洗濯~乾燥時) 約1,330Wh 約2,850Wh
1回あたりの電気代(当サイト計算) 約41円 約88円
標準運転時間(洗濯~乾燥時) 約87分 約210分
運転音(洗い/脱水/乾燥) 約32/約37/約48dB 約29/約37/約45dB
質量 約89kg 約58kg

出典:東芝ライフスタイル「TW-127XP5 仕様」「AW-12VP4 仕様」「ラインアップ」(2026年8月15日確認)

同じ東芝・同じ洗濯12kgで洗濯から乾燥まで1回まわしたときの水と電気を比べた棒グラフ。使用水量はドラム式TW-127XP5が約61L、タテ型AW-12VP4が約120L。1回あたりの電気代はドラム式が約41円、タテ型が約88円で、水も電気もドラム式のほうが少ない
同じ東芝・同じ洗濯12kgの実データ。乾燥容量はドラム式7kg・タテ型6kg(東芝ライフスタイル公式仕様より・2026年8月15日確認)

水は約59L、電気代は約47円、タテ型のほうが多く使います。毎日1回まわすなら、電気代だけで年間約17,200円の差です。運転時間も87分対210分で、2.4倍かかります。

この比較で必ず併記すべきこと:乾燥容量が違う

ここで、当サイトが必ず書き添えたいことがあります。この2機種は乾燥容量が同じではありません。ドラム式が7kg、タテ型が6kgです。

つまりドラム式のほうが1kg多く乾かして、電気は半分以下という関係です。この条件差はドラム式に不利には働きません。もし逆(ドラム式のほうが乾燥容量が少ない)だったら、この比較は成り立ちませんでした。

なお東芝は両方の仕様表に、次の注記を付けています。

室温・水温、水道水圧、設置・排水条件、衣類の量や種類、衣類の片寄り、風呂水の使用などにより、使用水量・消費電力量・運転時間が増減します。

カタログの数値はあくまで所定の条件での値です。実際の請求額がこのとおりになるという意味ではありません。

まとめると、「ドラムは乾燥で電気を食うから縦型が安い」は、同じメーカー・同じ洗濯容量で比べるかぎり成り立ちませんでした。通説が生まれたのは、おそらく「洗濯だけの電気代(ほぼ同じ)」と「本体価格の差(ドラム式のほうが高い帯が中心)」が混ざったためだと考えられます。ただし本体価格の差は別の問題として残ります(本記事では価格を扱いません)。

「ドラム式なら安い」も成り立たない——同じドラム式の中で2.25倍の差

ここまで読んで「じゃあドラム式にすれば安いのか」と思われたかもしれません。それも違います。

洗濯~乾燥1回の消費電力量を、各社の12kg級のドラム式で並べると次のようになります。

メーカー・型番 コース 消費電力量 電気代(当サイト計算) 運転時間 乾燥容量
シャープ ES-12X1 標準 590Wh 約18円 約150分 6kg
パナソニック NA-LX129EL 標準 800Wh 約25円 98分 6kg
パナソニック NA-LX129EL 省エネ乾燥 620Wh 約19円 165分 6kg
東芝 TW-127XP5 標準 1,330Wh 約41円 約87分 7kg
東芝 TW-127XP5 乾燥節電 670Wh 約21円 約215分 7kg

出典:シャープ「ES-12X1 仕様」/パナソニック「NA-LX129EL 仕様」/東芝ライフスタイル「TW-127XP5 仕様」(2026年8月15日確認)

ドラム式3社の洗濯から乾燥まで1回の消費電力量を比べた棒グラフ。標準コースはシャープES-12X1が590Wh、パナソニックNA-LX129ELが800Wh、東芝TW-127XP5が1330Whで2.25倍の差がある。ただし乾燥容量はシャープとパナソニックが6kg、東芝が7kgで条件は同じではない。省エネ・節電コースにするとパナソニックは620Wh、東芝は670Whまで下がるが運転時間は延びる
ドラム式の中だけで2.25倍の開きがある(各社公式の仕様値より・2026年8月15日確認)

標準コースだけを見ると、東芝の1,330Whはシャープの590Whの2.25倍です。「ドラム式だから安い」とは言えません。

ただし3機種は乾燥容量が同じではありません(シャープ6kg・パナソニック6kg・東芝7kg)。条件がそろっていないので、標準コースの数字だけを並べると東芝が突出して高く見えます。参考までに乾燥容量で単純に割ると東芝190Wh/kg・シャープ98Wh/kgで1.93倍になりますが、これは当サイトの参考値です——シャープは「洗濯~乾燥6kg時」と測定時の重量を明記しているのに対し、東芝の仕様ページには測定時の乾燥重量の記載を当サイトは確認できませんでした(開いたページ:東芝ライフスタイル「TW-127XP5 仕様」)。2.25倍で見ても1.93倍で見ても、「同じドラム式でも機種で大きく違う」という結論は変わりません。

節電コースを使うと数字が変わる——電気と時間のトレードオフ

ただし、標準コースの数字だけで結論を出すのも早すぎます。パナソニックにも東芝にも、電気を減らすコースがあります。

  • パナソニック:800Wh(98分)→ 省エネ乾燥 620Wh(165分)
  • 東芝:1,330Wh(約87分)→ 乾燥節電 670Wh(約215分)

東芝は節電コースを使えば670Whまで下がり、シャープの590Whに近づきます。ただし時間は87分から215分へ、2.5倍に延びます。

つまり各社は同じ「乾燥」でも、電気を取るか時間を取るかの設定を読者に渡しているわけです。この記事で比べた3社の中では、東芝が「標準は速く、節電は遅く」の振れ幅をいちばん大きく取っていました(シャープ・AQUA・日立に同種のコースがあるかは当サイトが確認できていません)。

まとめると、選ぶべきは「ドラム式か縦型か」だけでなく「短時間で終わらせたいのか、電気を抑えたいのか」です。夜に回して朝までに終わればいい人と、帰宅後すぐ乾かしたい人では、同じ機種でも答えが変わります。

当サイトが確認できなかったこと:日立の現行ドラム式(BD-STXシリーズ)の消費電力量は、公式の商品ページ(/wash/lineup/bd-stx130p/spec.html ほか)が本文をあとから読み込む作りになっており、「消費電力量」「標準使用水量」「Wh」のいずれの語でも中身を取得できなかったため、この表には入れていません。「日立の数値がない」のではなく「当サイトが取得できていない」という意味です。

本当の分かれ道は「置けるか」——蛇口の高さの基準が4社で27cm違う

ここからが、当サイトがこの記事でいちばん伝えたいところです。

洗濯機は、買う前に「置けない」で詰むことがある家電です。特にドラム式は、次の3つを満たさないと入りません。

  1. 蛇口(水栓)が十分な高さにあるか
  2. 防水パンの内寸に収まるか
  3. 搬入経路の幅を通るか

そしてこの3つの基準が、メーカーによってはっきり違います。

蛇口(水栓)の高さ——110cmから137cmまで

洗面所に置かれたドラム式洗濯機と壁の蛇口を横から描いた図。設置面から水栓までの高さを赤い矢印で示し、110cm以上と記してある。
出典:AQUA「まっ直ぐドラムシリーズ 設置確認ポイント」(2026-08-18確認)。画像は改変していません。

同じ「ドラム式が置ける蛇口の高さ」でも、各社が示す数値には27cmの開きがありました。

メーカー 別売品なしで置ける高さの目安 足りないときの説明(公式の記載)
AQUA 110cm以上 「110cm未満の場合は、洗濯機を前や横に移動して、水栓から離して設置いただくか、別売部品壁ピタ水栓CB-L6が必要となります」。別売部品のL型給水ホースSWHOSE-L1を使う場合は「100cm以上」
シャープ ES-12X1/12P1/11K1・ES-X12C/V12Cは1,200mm以上(ES-8XS1は1,215mm以上、ES-7S2は1,125mm以上) ES-12X1などは「1,200mm未満 980mm以上」で「蛇口の種類により必要な場合あり」、980mm未満は「必要」
東芝 122cm以上 122cm未満104cm以上は蛇口の位置により必要、104cm未満は必要
パナソニック 1,370mm以上(NA-LX129ELなどLX129E/127E/125E)
1,300mm以上(LX113E・SD10UB/HB)
LX129E群では1,020~1,369mm(1,310~1,369/1,300~1,309/1,020~1,299の3段階)がいずれも同じ文言で「蛇口のタイプにより別売の壁ピタ水栓が必要です。詳しくは、販売店へご相談ください。」。1,019mm以下(1,000~1,019/960~999/0~959の3段階)はいずれも「別売の壁ピタ水栓があれば設置できる可能性があります。」。LX113E・SD10UB/HBの列では1,300~1,369mmも条件の記載がなく、しきい値が70mm低い
日立 共通の数値なし 「水栓の高さは洗濯機の据付面(床面、防水パン、据付脚、置台など)から本体の給水ホース取付部高さ寸法以上が必要」=機種ごとに外形寸法で確認する方式

出典:各社の設置確認ページ(2026年8月15日確認)。URLは記事末の出典欄
※AQUAは「110cm未満の場合は…必要となります」という書き方で、「110cm以上なら不要」とは明言していません。左の列は当サイトが裏返して整理したものです。
※パナソニックの「1,370mm以上」は、本記事が比べたLX129E群(NA-LX129ELなど)で「別売品の記載がない」段階です。同じ判定表のLX113E・SD10UB/HBの列では1,300mm以上がその段階で、70mm低くなっています。同じメーカーの中でも機種で基準が違うので、型番まで見て判断してください。

ドラム式を別売品なしで置ける蛇口の高さの基準を、メーカー別に数直線で比べた図。AQUAは110cm、シャープは12kg機(ES-12X1)で120cm、東芝は122cm、パナソニックはNA-LX129ELなどLX129E群で137cm(LX113E・SD10は1,300mm)で、公表4社の間に27cmの開きがある。日立は共通の数値を出さず、機種ごとの外形寸法で確認する方式
同じドラム式でも、置ける蛇口の高さの基準はメーカーで27cm違う(各社の設置確認ページより・2026年8月15日確認)

ここが重要です。蛇口の高さが115cmの家を考えてみてください。AQUAの基準(110cm)なら別売品なしで置ける可能性があり、パナソニックの基準(1,370mm=137cm)では届きません。「うちはドラム式が置けない」と1社の店頭で言われても、それは全メーカーの結論ではありません。

防水パンの内寸

防水パンを横から見た断面図。壁までの奥行596mm以上、内寸が540mm以上、内寸深さ90mm以下、幅は内寸590mm以上と寸法線つきで示してある。
出典:シャープ「設置スペースを確認する」(2026-08-18確認)。画像は改変していません。
メーカー 公式が示している内寸
パナソニック 590mm以上(590mm未満は設置不可。排水口の位置によっては別売品が必要)
東芝 幅58cm×奥行52cm以上
シャープ 幅は内寸590mm以上。奥行は機種別(ES-12X1/12P1/ES-X12C/V12Cは「奥行596mm以上で内寸540mm以上」)
日立 このページには記載なし
AQUA 防水パンの内寸の指定だけが見当たらなかった。同ページの本文には「防水パンとエルボの高さの差(a)が10mm以上あること。」「防水パンの右側面に300mm以上の隙間があること。」、補強板HW-K630の「幅640mmの防水パンに対応」、真下排水の「排水口側は壁から8cm以上離してください。」という数値がある

出典:各社の設置確認ページ(2026年8月15日確認)

幅はパナソニック・シャープが590mm、東芝が58cm(580mm)で、10mmの違いがあります。防水パンは後から替えるのが簡単ではないので、先に自宅の内寸を測ってから機種を選ぶのが現実的です。

搬入経路の幅

洗面所の入り口の引き戸を正面から描いた図。開いた戸の内側の幅に矢印を引き、ドアの厚みの部分を含めない位置で測ることを示している。
出典:パナソニック「ドラム式 かんたん設置診断」(2026-08-18確認)。画像は改変していません。
メーカー 公式が示している必要幅
パナソニック 自宅・設置場所入り口ほか710mm以上/建物・共用階段、エレベーター、入り口751mm以上
東芝 「洗濯機本体の手掛け部を含めた幅60cmが必要です」
シャープ 「経路で一番狭い部分が、本体幅+6cm以上あれば、通常、搬入が可能です」
日立・AQUA 当サイトが見たページには数値なし

出典:各社の設置確認ページ(2026年8月15日確認)

シャープだけが「本体幅+6cm」という式で示しているのが特徴です。機種ごとに答えが変わるぶん、自分の候補機種で計算できます。搬入経路の測り方そのものは冷蔵庫と同じ考え方なので、冷蔵庫の搬入経路の測り方(通路は本体+10cmが目安)も参考になります。

「見つからなかった」と「無い」は違います

上の3つの表で「記載なし」と書いた欄について、当サイトが実際に開いたページと、そこで探した語を明記しておきます。メーカーによって呼び名が違う(同じものを「蛇口」と呼ぶ社と「水栓」と呼ぶ社がある)ため、1つの語で見つからないことを「無い」とは書きません。

  • 日立https://kadenfan.hitachi.co.jp/wash/contents/wash_qa/03.html(設置場所・搬入経路のQ&A)。「防水パン」「防水トレー」「搬入」「経路」「通路」「玄関」「幅」の7語で探しましたが、防水パン内寸と搬入幅の数値はありませんでした(本体まわりのすきまについては「直下排水キットHO-P5を使用したときは、13cm以上」などの数値があります)。ただし日立は機種ごとに据付説明書(PDF)を公開しており、たとえばBD-STX130MLの説明書ページ(/support/wash/item/BD-STX130ML/manual.html)に「据付説明書」が置かれています。当サイトはこのPDFの中身を読み取れなかったため、日立の具体的な数値は本記事に載せていません。
  • AQUAhttps://aqua-has.com/lp/laundry/drum-howto-install/(まっ直ぐドラム 設置確認ポイント)。このページに「蛇口」の語は出てきません。使われているのは「水栓」で、その語で探して「設置面から水栓までの高さが110cm未満の場合は…」という記載に行き当たりました。一方で「防水パン」「内寸」「搬入」「経路」「幅」で探したところ、「内寸」だけが0件でした。防水パンについては「防水パンとエルボの高さの差(a)が10mm以上あること。」「防水パンの右側面に300mm以上の隙間があること。」という数値が本文で読めます。見当たらないのは「内寸◯mm以上」という指定と、搬入経路の幅の数値の2つだけです。

当サイトは「公表していない」とは書きません。見つけられなかっただけかもしれないからです。

まとめると、置けるかどうかはメーカーで基準が違います。電気代の差より先に、蛇口の高さ・防水パンの内寸・通路の幅の3つを測ってください。測るのに必要なのはメジャー1本と5分です。

3つの質問で決める

ここまでの内容を、順番に答えるだけの3つの質問にまとめました。

ドラム式か縦型かを3つの質問で判定するフローチャート。Q1は乾燥機能を毎日使うか、いいえなら縦型。Q2は蛇口が床から122cm以上あるか、いいえなら縦型かメーカーを選び直す。Q3は防水パンの内寸が幅58cm×奥行52cm以上あるか、いいえなら縦型。3つとも「はい」ならドラム式
3つの質問で決まる(東芝ライフスタイル・パナソニックの設置チェックより・2026年8月15日確認)

Q1 乾燥機能を毎日(または週の大半で)使いますか?
→ いいえ:縦型(全自動)。乾燥を使わないなら、ドラム式の一番の強みを使わないことになります。本体は29〜38kg軽く、設置条件もゆるくなります。
→ はい:Q2へ

Q2 置き場所の蛇口は、床から122cm以上ありますか?
→ いいえ:縦型、またはメーカーを選び直す。別売の壁ピタ水栓を使うか、基準の低いメーカー(AQUAは110cm)を検討します。
→ はい:Q3へ

Q3 防水パンの内寸は幅58cm×奥行52cm以上ありますか?
→ いいえ:縦型(全自動)。防水パンを替える工事をしない限り、ドラム式は入りません。
→ はい:ドラム式
※Q2・Q3の数値は東芝ライフスタイルの設置チェックの値です。基準はメーカーで違うため、候補の機種の公式ページで必ず確認してください。搬入経路の幅も別に確認が必要です。

なお、容量(何kg)は型を決めたあとで構いません。日立は公式のQ&Aで「1人1日分の洗濯物量は約1.5kgが目安です。」としています(当社調べ。衣類ごとの重さは一般社団法人 日本電機工業会の自主基準による・2026年8月15日確認)。4人世帯なら1.5kg×4人=6kgが基準で、日立は「まとめ洗いや大物洗いのことを考えると、大きめの容量がおすすめです。」と補足しています。

代表機種:ドラム式3機種・縦型2機種

当サイトはこれらを購入・使用していません。以下はすべて各社公式の仕様値です(2026年8月15日確認)。

シャープ ES-12X1|電気をいちばん抑えたい人へ(ドラム式)

項目
洗濯/乾燥容量 12kg/6kg
乾燥方式(公式の呼び名) ハイブリッド乾燥NEXT、無排気乾燥
洗濯~乾燥(水/電力/時間) 49L/590Wh/約150分
電気代(当サイト計算) 約18円/回
運転音(洗い/脱水/乾燥) 32/39/42dB
外形寸法・質量 幅640×奥行719×高さ1,120mm(幅は排水ホース、高さは給水ホースを含む)/約80kg
  • 良い点:この記事で比べた3機種で消費電力量が最も少なく(590Wh)、水も最少(49L)。乾燥時の運転音42dBも最も小さい部類(東芝も乾燥節電時は約42dB)。
  • 気になる点運転時間は約150分で、東芝の標準(約87分)より長い。

ミニ結論:夜に回して朝に取り出す使い方なら、時間の長さは負担になりません。電気を優先するならこの機種です。

パナソニック NA-LX129EL|速さと電気のバランス型(ドラム式)

項目
洗濯/乾燥容量 12kg/6kg
乾燥方式 ヒートポンプ方式(トップユニット方式)
洗濯~乾燥(水/電力/時間) 55L/800Wh(省エネ乾燥620Wh)/98分(省エネ乾燥165分)
電気代(当サイト計算) 約25円/回(省エネ乾燥 約19円)
運転音(洗い/脱水/乾燥) 32/41/46dB
外形寸法・質量 幅604×奥行722×高さ1,011mm/81kg
  • 良い点幅604mmは3機種で最もスリム。標準98分と省エネ620Whの両方を持ち、その日の都合で選べます。
  • 気になる点脱水時41dBは3機種で最も大きい値(シャープ39dB・東芝37dB)。

ミニ結論:日によって「早く終わらせたい日」と「電気を抑えたい日」がある家庭に向きます。

東芝 TW-127XP5|とにかく速く終わらせたい人へ(ドラム式)

項目
洗濯/乾燥容量 12kg/7kg
乾燥方式 ふんわリッチ速乾(ヒートポンプ除湿乾燥)
洗濯~乾燥(水/電力/時間) 約61L/約1,330Wh(乾燥節電 約670Wh)/約87分(乾燥節電 約215分)
電気代(当サイト計算) 約41円/回(乾燥節電 約21円)
運転音(洗い/脱水/乾燥) 約32/約37/約48dB(乾燥節電時 約42dB)
外形寸法・質量 幅645×奥行720×高さ1,060mm/約89kg
  • 良い点乾燥容量7kgは3機種で最大。標準約87分は最短で、帰宅後に回して寝る前に取り出せます。
  • 気になる点標準コースの1,330Whは3機種で最大。乾燥時48dBも最大です。節電コースにすると670Whまで下がりますが、約215分かかります。

ミニ結論:「速さ」を買う機種です。電気を優先するなら節電コース前提で使うか、他の2機種を選ぶほうが合理的です。

パナソニック NA-FA12V6|洗って干す人の第一候補(縦型)

項目
区分 全自動洗濯機(乾燥機能なし。槽・風乾燥は化繊2kg)
洗濯・脱水容量 12kg
洗濯(水/電力/時間) 139L/70Wh/36分
電気代(当サイト計算) 約2.2円/回
運転音(洗い/脱水) 37/39dB
外形寸法・質量 幅637×奥行694×高さ1,086mm/51kg
  • 良い点51kgはこの記事で扱う5機種で最軽量。ドラム式(約80〜89kg)より29〜38kg軽く、設置のハードルが下がります。
  • 気になる点衣類乾燥はできません(槽・風乾燥は化繊2kgまで)。使用水量139Lはドラム式NA-LX129EL(83L)の約1.7倍。

ミニ結論:乾燥を使わないと決めているなら、これがいちばん素直な選択です。

東芝 AW-12VP4|縦型のまま乾燥もたまに使いたい人へ

項目
洗濯/乾燥容量 12kg/6kg
乾燥方式 ハイブリッド乾燥
洗濯(水/電力/時間) 約139L/約107Wh/約43分
洗濯~乾燥(水/電力/時間) 約120L/約2,850Wh/約210分
電気代(当サイト計算) 洗濯 約3.3円/回、洗濯~乾燥 約88円/回
運転音(洗い/脱水/乾燥) 約29/約37/約45dB
外形寸法・質量 幅637×奥行650×高さ1,107mm/約58kg
  • 良い点洗い時29dBはこの記事で扱う5機種で最小。奥行650mmも縦型2機種で最小です。
  • 気になる点洗濯~乾燥1回で約2,850Wh(約88円)。毎日使うとドラム式より年間約17,200円多くかかります。

ミニ結論:「乾燥は月に数回」なら現実的な選択肢。毎日使うつもりなら、ドラム式が置けないか先に確かめる価値があります。

こんな人にはこれ

順位 こんな人 選ぶ機種
第1に 乾燥を毎日使い、置き場所の条件が合う人 ドラム式。電気を優先するならシャープ ES-12X1(590Wh)/速さを優先するなら東芝 TW-127XP5(約87分)/両方を日によって選びたいならパナソニック NA-LX129EL
第2に 乾燥を使わない人 パナソニック NA-FA12V6。乾燥を使わないなら、ドラム式の高さも重さも設置条件も引き受ける理由がありません
第3に 縦型のまま乾燥もたまに使いたい人 東芝 AW-12VP4。月に数回なら電気代の差は小さくなります

当サイトはここで「無理にドラム式を勧めない」立場を取ります。乾燥を毎日使う予定がないなら、縦型を選んで問題ありません。逆に毎日使う予定で東芝 AW-12VP4を選ぶのはおすすめしません(年間約17,200円の差が出るため)。

置き場所が合わない人へ:蛇口が低い・防水パンが小さい・通路が狭いという理由でドラム式が入らない場合、壁ピタ水栓の取り付けや防水パンの交換は工事になります。費用は業者と現場の条件で変わるため、当サイトでは金額を示しません。まず管理会社または水道業者に現地を見てもらってください。

よくある質問

先に答えだけを一覧にします。

質問 答え(1行)
電気代が安いのは? 乾燥まで使うならドラム式(東芝12kgで1,330Wh対2,850Wh)。洗濯だけならほぼ同じ
水道代が安いのは? ドラム式(東芝12kgで約61L対約120L)。ただし当サイトは円に換算しません
蛇口が低くて置けないと言われた 1社の基準で判断しない。公表4社で110cm~137cmと27cmの開きがある
何kgを選べばいい? 1人1日約1.5kgが目安(日立公式)。4人世帯なら6kgが基準
ドラム式は汚れ落ちが悪い? 当サイトは断定しません。洗浄力を比べた実測データを持っていないため

Q1.ドラム式と縦型、電気代が安いのはどっちですか?

A.乾燥まで使うならドラム式です。東芝の洗濯12kg同士で、洗濯~乾燥1回の消費電力量はドラム式1,330Wh(約41円)、タテ型2,850Wh(約88円)でした。ただし洗濯だけならほぼ同じで、パナソニックの12kgでは68Whと70Whの差しかありません(2026年8月15日確認)。

Q2.縦型のほうが水道代が安いと聞きました。本当ですか?

A.当サイトが確認した範囲では逆でした。東芝の12kg同士で、洗濯~乾燥1回の使用水量はドラム式約61L、タテ型約120L。パナソニックの12kg同士でも、洗濯だけでドラム式83L、縦型139Lです。なお水道料金は自治体と使用量で単価が変わるため、当サイトは水量(L)のままで比較し、円に換算していません。

Q3.蛇口が低くてドラム式は置けないと言われました。あきらめるしかない?

A.1社の基準で判断するのは早いです。別売品なしで置ける蛇口の高さの目安は、AQUAが110cm、シャープが1,200mm(12kgのES-12X1など)、東芝が122cm、パナソニックが1,370mm(137cm)と、公表4社で27cmの開きがあります。基準の低いメーカーなら置けることがあります。それでも足りない場合は、別売の壁ピタ水栓(AQUAはCB-L6を指定)や工事という手段があります。

Q4.洗濯機は何kgを選べばいいですか?

A.日立は「1人1日分の洗濯物量は約1.5kgが目安です。」としています(当社調べ。衣類ごとの重さは日本電機工業会の自主基準による)。4人世帯なら1.5kg×4人=6kgが基準です。ただし日立自身が「まとめ洗いや大物洗いのことを考えると、大きめの容量がおすすめです。」と補足しています(2026年8月15日確認)。なお、人数別の目安と、各社が実際に売っている容量のズレについては、洗濯機は何キロを選ぶ? 計算式で出る「4人で6kg」は最低ラインでしたで7社の公式ラインアップを実測してまとめています。

Q5.ドラム式は縦型より汚れ落ちが悪いのでは?

A.当サイトは洗浄力を実測していないため、どちらが優れているかは書きません。公式が説明しているのは洗い方の違いまでです。日立はドラム式を「ドラムを回転させて押して、たたいて、もみ洗い」、タテ型の標準タイプを「底にある羽根を回転させてかくはん洗い」「たっぷり水をためて洗う」と説明しています(2026年8月15日確認)。洗浄力を比べた実測データを当サイトが持っていない以上、断定は避けます。

この記事のつづき(洗濯機の記事)

ここまでで「ドラム式か縦型か」と「どの機種か」は決まりました。買う前に残る不安は、たいてい次の2つです。

まとめ

  1. 「ドラム式は乾燥で電気を食うから縦型が安い」は、同じメーカー・同じ洗濯12kgで比べると成り立ちませんでした。東芝の12kgで水61L対120L、電気代約41円対約88円です。
  2. 洗濯だけなら電気代の差はほぼゼロ(パナソニックの12kgで68Wh対70Wh)。通説はここから生まれたと考えると説明がつきます。
  3. 「ドラム式なら安い」も成り立ちません。ドラム式3社の標準コースで590Wh~1,330Whと2.25倍の開きがあり、節電コースを使えばさらに変わります(乾燥容量はシャープ・パナソニック6kg、東芝7kgで条件は同じではありません)。
  4. 本当の分かれ道は「置けるか」です。ドラム式を別売品なしで置ける蛇口の高さの基準は、公表4社で110cm~137cmと27cm違います。
  5. 決め方は3つの質問だけ——乾燥を毎日使うか、蛇口は122cm以上あるか、防水パンは58×52cm以上あるか。

今日やること:メジャーで蛇口の高さと防水パンの内寸を測ってください。5分で終わり、この記事の判断のうち2つが確定します。

電気代の考え方をもっと詳しく知りたい方は、冷蔵庫の年間電気代の読み方と省エネラベルの見方で当サイトの計算方法を公開しています。家電の選び方の全体の流れは冷蔵庫の選び方7ステップと同じ考え方です。

出典

すべて2026年8月15日に当サイトが確認しました。

東芝ライフスタイル

パナソニック

シャープ

AQUA

日立

電気料金の目安単価

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