象印の炊飯器の機能を解説|炎舞炊き・豪炎かまど釜・わが家炊きは何をする機能か【現行16シリーズ】

象印の炊飯器の機能(炎舞炊き・豪炎かまど釜など)を解説する記事のアイキャッチ。家電えらびのサイト名を記載 炊飯器

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「炎舞炊き」「豪炎かまど釜」「わが家炊き」。象印の商品ページには、こういう名前が3つも4つも並んでいます。どれが加熱の仕組みで、どれが内釜で、どれがメニューの名前なのか。そこを仕分けないと、型番を見比べる段階に進めません。この記事はその仕分けから始めます。材料は、2026年9月11日〜12日に当サイトが開いた象印マホービンの公式ページです(ラインアップ一覧=現行16シリーズと、炎舞炊き2系列・マイコン3機種の特長・仕様ページ)。

先に3行で

  • 「炎舞炊き」は、底のIHヒーターをまとめてではなく6つ(または4つ)に分け、2つずつ順番に加熱する仕組みです。これで縦だけでなく横の対流も起こす、と象印は説明しています(公式の言い方は「2つのヒーターを同時加熱」の繰り返しで、「順番に」は当サイトの言い換えです)
  • 象印は1台の会社ではありません。現行は16シリーズあり、加熱方式はマイコン・IH・圧力IHの3通り。当サイトが結論編で3〜4合と1升の第1に挙げたのは「象印」というメーカーで、その根拠にした機種は、実は別々の系列に散らばっています(3〜4合の根拠はマイコン機のNS-NH05・NL-BF05・NL-BY05、1升の根拠は圧力IH「炎舞炊き」系列のNW-NC18)
  • 内釜のフッ素加工保証は1年・3年・5年の3段階。「5年保証」が付くのは、当サイトが保証年数を確かめた象印の機種の中では、最上位のNX-AB型だけで、3〜4合で根拠にしたマイコン機は1年です

このシリーズ(炊飯器・全6回)の目次

炊飯器の記事は6本で1組。これは3本目です。1本目「炊飯器のメーカーはどこがいい?」では、象印の炎舞炊きを「底に並べた複数のIHヒーターを、まとめてではなく別々に働かせる仕組み」と1文で紹介しただけでした。この記事では、その仕組みの中身と、系列ごとに何が違うのかを説明します。

  1. 炊飯器のメーカーはどこがいい? 8社の違いを94シリーズの実数で比較(公開ずみ)
  2. 日立の炊飯器の機能
  3. 象印の炊飯器の機能(この記事)
  4. 「圧力IH」「可変圧力IH」「真空圧力IH」は何が違う? 8社の呼び名を1枚の表に(公開ずみ)
  5. 炊飯器の電気代は高い機種と安い機種で年いくら違うか
  6. サイズの段ごとに、どのメーカーかを言い切る

まず1枚:象印の看板機能と、何をする機能か

象印の看板機能マトリクス(7項目×5機種列)。炎舞炊き・豪炎かまど釜・わが家炊き・蒸気セーブはNX-AB10・18とNW-NC10・18が◯で他は×。ハイパワー495W+全面加熱とパン(発酵・焼き)メニューはNL-BF05・NL-BY05のみ◯。小さくてもハイパワー420WはNS-NH05のみ◯。数値・◯×は直上の表と同一。
公式の呼び名 何をする機能か(公式の説明より) 付いている機種
炎舞炊き 底のIHヒーターを分けて、2つずつ同時に集中加熱するのを繰り返し、縦横の対流を起こす NX-AB10・18(6コイル)/NW-NC10・18(4コイル)/NW-UU07
豪炎かまど釜 鉄をアルミとステンレスに組み込んだ内釜。ふちを厚くして熱を逃がしにくくする NX-AB10・18/NW-NC10・18
わが家炊き 前回のごはんの「かたさ・粘り」の感想を入力すると、次回の炊き方を調整する NX-AB10・18/NW-NC10・18(マイコン機には無し)
蒸気セーブ 蒸気の発生量を抑え、レンジ台などの結露を抑える NX-AB10・18/NW-NC10・18
ハイパワー「495W(最大電力)」+「全面加熱」 495Wの大火力と釜全体を包み込む加熱で炊く NL-BF05・NL-BY05の2機種だけ
小さくてもハイパワー「420W」 420Wで炊く(「全面加熱」の記載はありません) NS-NH05
パン(発酵・焼き)メニュー 発酵と焼きを選んでパンが作れる NL-BF05・NL-BY05のみ(NX-AB・NW-NCの仕様表に記載なし)

※「付いている機種」の列は、当サイトが開いた7機種+ラインアップ一覧で分かる範囲です。炎舞炊きの行のNW-UU07(4合)については、他の6行が付くかどうかを確認していません。
※当サイトはこれらを1台も購入しておらず、炊いてもいません。味・食感の評価は行わず、公式の説明と測定条件だけを扱います。

前提:象印は「1系列」ではありません(現行16シリーズの全件表)

象印の現行16シリーズを加熱方式(圧力IH8シリーズ/IH4シリーズ/マイコン4シリーズ)で3つの帯に分けたツリー図。各枝に型番・シリーズ名・容量帯を表示し、色つきの5シリーズ(NX-AB・NW-NC・NL-BF05・NL-BY05・NS-NH05=7機種)だけがこの記事で機能を解説した対象、残り11シリーズはグレー表示。型番・加熱方式・シリーズ名・容量は直上の表と同一。

象印の炊飯ジャーは、2026年9月12日時点の公式ラインアップで16シリーズあります。加熱方式は「マイコン」「IH」「圧力IH」の3通りで、それとは別に「炎舞炊き」「豪熱大火力」「STAN.」というシリーズ名が付きます。当サイトが公式のラインアップ一覧から1件残らず書き出したのが次の表です。

型番 加熱方式(公式) シリーズ名(公式) 容量
NX-AB10・18 圧力IH 炎舞炊き 5.5合/1升
NW-NC10・18 圧力IH 炎舞炊き 5.5合/1升
NW-UU07 圧力IH 炎舞炊き 4合
NW-WD10・18 圧力IH 豪熱大火力 5.5合/1升
NW-BC10・18 圧力IH 豪熱大火力 5.5合/1升
NW-YD10・18 圧力IH 豪熱大火力 5.5合/1升
NW-MC07 圧力IH 豪熱大火力 4合
NP-RU05 圧力IH 記載なし 3合
NW-QC10・18 IH 豪熱大火力 5.5合/1升
NV-KA10・18 IH 記載なし 5.5合/1升
NW-SB10 IH STAN. 5.5合
NP-GM05 IH 記載なし 3合
NL-DT10・18 マイコン 記載なし 5.5合/1升
NL-BF05 マイコン 記載なし 3合
NL-BY05 マイコン 記載なし 3合
NS-NH05 マイコン 記載なし 3合

この表で、型番だけでは分からないことが2つあります。

  • 「豪熱大火力」は圧力IHとは限りません。NW-WD・NW-BC・NW-YD・NW-MC07は圧力IHですが、NW-QC10・18は同じ「豪熱大火力」でIH(圧力なし)。シリーズ名で圧力の有無は決まりません
  • 3合の小型機にも圧力IHがあります。NP-RU05は3合ですが公式の分類は圧力IHで、同じ3合のNP-GM05(IH)やマイコン3機種とは加熱方式が違います

この記事が機能を解説するのは、5シリーズ(=7機種)だけです。内訳は圧力IH「炎舞炊き」のNX-AB・NW-NC(10と18で4機種)と、マイコンのNL-BF05・NL-BY05・NS-NH05。結論編で当サイトが3〜4合の象印を第1にした根拠の機種(NS-NH05・NL-BF05・NL-BY05)はマイコン、1升の象印を第1にした根拠の機種(NW-NC18)は炎舞炊きで、系列がまったく違うからです。NX-AB10・18とNW-NC10は根拠機種ではありませんが、同じ2系列なので合わせて開きました。

残る11シリーズ=NW-UU07・NW-WD・NW-BC・NW-YD・NW-MC07・NW-QC・NW-SB10・NV-KA・NP-RU05・NP-GM05・NL-DT(5+11=16)については、当サイトは特長ページを開いておらず、この記事では機能を解説していません。⛔ このうちNW-UU07だけは同じ「炎舞炊き」ですが4合機です。4合を検討している方は、この記事の説明をそのまま当てはめないでください。

型番の読み方

  • NX-AB/NW-NC:圧力IH「炎舞炊き」系列。末尾の10が5.5合(0.5〜5.5合)、18が1升(1合〜1升)です
  • NL-BF/NL-BY/NS-NH:マイコン系列。末尾05はすべて0.5〜3合で、容量による型番の違いはありません
  • NL-BF05とNL-BY05の違い:内釜の厚さが2.5mmと5.0mmで違う以外、外形寸法(23.5×32.5×19.5cm)は同じです。色も違います(下の表)
  • 末尾の色記号は、全型番を横断する一覧表は当サイトが見つけられませんでしたが、各商品ページに読み方が書いてあります。この記事で扱う7機種ぶんを書き出したのが次の表です
機種 公式の表記(逐語)
NX-AB10 「10サイズ/黒(BZ) 白(WZ)」
NX-AB18 「18サイズ/黒(BZ) 白(WZ)」
NW-NC10 「10サイズ/ ブラック(BA) ホワイト(WA)」
NW-NC18 「18サイズ/ ブラック(BA)」(白の記載なし)
NL-BF05 「ソフトブラック(-BZ) ソフトホワイト (-WZ)」
NL-BY05 「ブラック (-BA)」
NS-NH05 「ソフトホワイト (-WZ)」

BとWが黒と白を指すのは、この7機種では公式の表記どおりです。2文字目(ZとA)の意味と、他の11シリーズは確認していません。

機能① 炎舞炊き:ヒーターを「まとめて」ではなく「分けて」使う

加熱パターンの図は象印公式ページに掲載されています。

公式の説明は逐語で「対面する2つの底IHヒーターが縦横の対流を引き起こし、お米を激しく複雑にかき混ぜる」(NX-AB型のページ)。従来は「1つの底IHヒーターで内釜全体を加熱していたが、一粒一粒に伝わる熱が弱かった」とされ、炎舞炊きは横方向の対流も起こすのが違いという位置づけです。

ただし、分け方と回し方は2系列で違います。

機種 公式の説明(逐語) ブロック数と回り方
NX-AB型 「底IHヒーターは加熱範囲を6ブロックに分け、2つのヒーターを同時加熱。部分的な集中加熱を繰り返すことで、縦だけでなく、横の激しい対流を引き起こし、釜の中心部までかき混ぜます。」/「①〜③を繰り返し加熱することで、激しい対流を生み出す」 6ブロックを2つずつ・公式は①〜③の3段階と表記
NW-NC型 「底IHヒーターを4ブロックに分け、対角線上にある2つのヒーターを同時加熱していきます。同時に2カ所加熱するので、より激しい対流でかき混ぜ、高温の熱をお米一粒一粒に伝えます。」 4ブロックを対角線上の2つずつ。公式に段階の番号表記はありません

「対角線上にある」は、公式がNW-NC型にだけ付けている限定です。NX-AB型の6ブロックの説明を、そのまま4ブロックに当てはめることはできません。

商品仕様の表記は「3DローテーションIH構造(6コイル)」(NX-AB型)/「ローテーションIH構造(4コイル)」(NW-NC型)で、コイル数がそのまま違います。気圧は両系列とも「1.0〜1.3気圧」(※「メニューによってかかる圧力が異なります。」の注記つき)。炊飯中の気圧を数値で出しているのは、当サイトが確認できた8社のうち日立と象印だけですが、日立の「最高1.5気圧」は上限、象印は範囲で、書き方が違うため直接比べられません。

蒸らしも「集中加熱」です(条件は機種で違います)

公式に「集中加熱蒸らし」という言葉があり、どちらの系列でも「部分的な集中加熱を繰り返す大火力の蒸らしで、ふっくら弾力のあるごはんに仕上げます」と同じ説明が付いています。ただし「どのメニューで働くか」の条件文が、機種で別々です。

  • NX-AB型:「『炊き分けセレクト』『急速』メニュー選択時のみ」
  • NW-NC型:「白米または無洗米『しゃっきり』『ややしゃっきり』『ふつう』『ややもちもち』『もちもち』『急速』メニュー選択時のみ」

どちらも「すべてのメニューで働く機能」ではありません。

機能② 豪炎かまど釜:内釜の材料と形の工夫

内釜の構造図は象印公式ページに掲載されています。

豪炎かまど釜の内釜断面図(NX-AB型・NW-NC型を並べて表示)。両機種とも「鉄+アルミ+ステンレスを組み込んだ構造」(層の枚数は明記せず)。釜のふちはNX-AB型10mm・NW-NC型3mm、釜厚は両機種とも2.2mm。底形状(斜めの面と平らな面)の説明はNX-AB型の図にのみ表示し、NW-NC型には入れていない。

炎舞炊き系列の内釜の名前が「豪炎かまど釜」。図の見出しは「【鉄+ステンレス+アルミ】豪炎かまど釜」、説明は逐語で「IHと相性が良く発熱効率と蓄熱性が高い『鉄』素材を、熱伝導率の高い『アルミ』と耐久性に優れた『ステンレス』に組み込んだ構造です。」(この文はNX-AB型・NW-NC型の両方のページにあります)。「3層」という枚数の表記は、当サイトが開いたページにはありませんでした。

2系列に共通するポイントは2つ。①釜のふちを厚くして熱が外に逃げるのを抑える(NX-AB型は10mm、NW-NC型は3mm。当サイトが割り算すると上位機のほうが3倍以上厚いことになります)。②「大火力ユニット」=「小さな穴でおねばの泡をつぶし、ふきこぼれを抑えながら、大火力で炊き続けることができます。」釜厚そのものは両機種とも2.2mmで共通でした。

⛔ もう1つの「底の形状」は、NX-AB型のページにだけある説明です。見出しは「3DローテーションIHを活かす底形状」で、「斜めの面はなべ肌から中心に向かって泡が上がり、平らな面はまっすぐ泡が上がるため、より激しい対流を促します。」とあります。同じ記述はNW-NC型のページにはありませんでした。この記事がカードを置いているNW-NC10に、この説明を当てないでください。

機能③ わが家炊き:銘柄ではなく「感想」で炊き方を変える

わが家炊きの操作フロー図。①前回の感想を「かたさ」「粘り」から選ぶ→②次回の炊き方を調整→③好みの食感に近づける、の3ステップ(数値は本文に記載が無いため図にも入れていない)。

公式の説明は「前回食べたごはんの感想を回答するだけで、炊き方を微調整し、好みの食感に進化させます」。銘柄ごとに炊き方を変えるのではなく、「このお米にはこの炊き方」と決めず「いまのあなたにはこの炊き方が合いそう」と探る設計だと説明されています。加えて「炊き分けセレクト」では、食感を選んで炊き分けられます。「お好みの食感を選んでこだわりの一杯に。「かたさ」3段階・「粘り」5段階から選択できます。」と公式にありますが、この「3段階・5段階」はNX-AB型のページにだけある説明です。NW-NC型は「炊き分け5通り」で、段階の内訳は当サイトが開いたページに記載がありませんでした。

組み合わせの数はNX-AB型が「炊き分けセレクト15通り|121通り」、NW-NC型が「炊き分け5通り|81通り」と仕様表に記載されています。違うのは仕様表の行名だけで、特長ページはどちらも「ごはんの食感を炊き分ける『炊き分けセレクト』。」と同じ名前で呼んでいます(NW-NC型のページで確認)。上位機のほうが選択肢が多くなっています。

⛔ この機能はマイコン機(NL-BF05・NL-BY05・NS-NH05)には付いていません。公式の仕様表・特長ページのどちらにも「わが家炊き」「炊き分けセレクト」の記載が無いためです(無いという確定ではなく、当サイトが見つけられなかったという意味です)。

機能④ 蒸気セーブ:数値も測定条件も、機種ごとに別です

蒸気セーブの水分蒸発量の棒グラフ(8本)。NX-AB10は蒸気セーブ18.1g/比較メニュー・白米炊き分けセレクト(かたさ・粘り標準)98.0g、NX-AB18は19.5g/106.5g、NW-NC10は14.8g/比較メニュー・白米ふつう85.1g、NW-NC18は17.7g/100.0g。各棒に比較メニュー名を表示。共通条件=10サイズ3カップ・18サイズ4カップ・室温23℃±2℃・当社自社基準による当社測定値。数値は直上の表と同一。

公式の説明は「蒸気の発生を約80%カット」で、NX-AB型・NW-NC型の両方に同じ文言で付いています。1本目で触れたとおり、蒸気を抑える機能は日立だけのものでも象印だけのものでもありません(日立は「蒸気カット」、象印の炎舞炊き系列は「蒸気セーブ」)。

⛔ ここがこの記事でいちばん取り違えやすい場所です。数値も、何と比べた数値なのかも、機種ごとに違います。4機種ぶんを公式から書き写しました。

機種 蒸気セーブ時
(水分蒸発量g)
比較したメニュー 比較したメニューの値
(水分蒸発量g)
NX-AB10 18.1g 白米炊き分けセレクト(かたさ・粘り標準) 98.0g
NX-AB18 19.5g 白米炊き分けセレクト(かたさ・粘り標準) 106.5g
NW-NC10 14.8g 白米ふつう 85.1g
NW-NC18 17.7g 白米ふつう 100.0g

公式の注記も2系列で別々です。逐語で引きます。

  • NX-AB型:「(条件)10サイズ3カップ 18サイズ4カップ 室温:23℃±2℃ 白米炊き分けセレクト(かたさ・粘り標準)選択時と蒸気セーブ選択時。当社自社基準による当社測定値。周囲の環境などによって蒸気量は異なります。尚、蒸気量は抑えられますが、結露ややけどにご注意ください。」
  • NW-NC型:「(条件)10サイズ3カップ 18サイズ4カップ 室温23℃±2℃ 白米ふつう選択時と蒸気セーブ選択時。当社自社基準による当社測定値。周囲の環境などによって蒸気量は異なります。尚、蒸気量は抑えられますが、結露ややけどにご注意ください。」

「約80%カット」だけを覚えて帰らず、自分が買おうとしている型番の行を見てください。公式は両系列とも「結露ややけどにご注意ください」と書き添えています。

なお、日立は排出蒸気量をmLと測定コースで、象印は水分蒸発量をgとカップ数・室温で出しています。出している項目が違うため、どちらが細かいかは当サイトでは決められません。

機能⑤ 大火力で炊く:マイコン機の言い方(495Wと420W)

マイコン3機種の内釜厚さと炊飯時消費電力の比較図。内釜厚さはNL-BF05 2.5mm・NL-BY05 5.0mm・NS-NH05 0.8mm、炊飯時消費電力はNL-BF05 495W・NL-BY05 495W・NS-NH05 420W。数値は本文末「7機種の数値一覧」の該当行と同一。

マイコン3機種は、公式の言い方が2通りに分かれます。NL-BF05・NL-BY05は「ハイパワー『495W(最大電力)』+『全面加熱』」で、公式は「最大495Wの大火力と釜全体を包み込む全面加熱が、芯までふっくら炊き上げます。」と説明。炊飯時の中パッパ工程で火力を引き上げる「豪熱沸とう」も、この記事のマイコン3機種の中ではこの2機種のページにだけあります。一方NS-NH05は「小さくてもハイパワー『420W』」だけで、「全面加熱」も「豪熱沸とう」も、当サイトが開いた NS-NH05 のページには記載がありませんでした。3機種とも圧力もIHも使わない加熱方式で、炎舞炊き系列とは仕組みが別物です。内釜の厚さは2.5mm・5.0mm・0.8mmと、同じマイコン機の中でも違いました。

⛔ 下位機だけが持つ機能:パン(発酵・焼き)メニュー

「上位機がすべてを含む」わけではありません。NL-BF05・NL-BY05には「パン(発酵・焼き)」メニューがあり、公式は「発酵と焼きが選択できるメニューです。丸パンやメロンパンが作れます。」と説明しています。この記載は炎舞炊き系列(NX-AB・NW-NC)の仕様表にはありません。パン作りをしたい人にとっては、上位の炎舞炊きより手頃なマイコン機のほうが向いている場合があります。

保証:1年・3年・5年、機種でまったく違います

象印の内釜フッ素加工保証年数の棒グラフ。NX-AB10・18は5年、NW-NC10・18は3年、NL-BF05・NL-BY05・NS-NH05は1年(他社の年数は図に含めていない)。

内釜のフッ素加工保証は、象印の中でも1年・3年・5年の3段階です。公式の注記はどれも同じ言い回しで、逐語で「内釜のフッ素加工は◯年間無償交換します。取扱説明書の記載事項にそわない使い方をされた場合は対象外です。」(◯の部分だけが機種で変わります)。

  • 5年:NX-AB10・NX-AB18(炎舞炊きの最上位)
  • 3年:NW-NC10・NW-NC18(炎舞炊きのもう一方)
  • 1年:NL-BF05・NL-BY05・NS-NH05(マイコン3機種)

1本目で書いた「年数を確認できた5社の中で最長は日立の6年、象印は5年」という比較は、NX-AB型だけに当てはまる話です。結論編が3〜4合で象印を第1にした根拠の機種(NL-BF05・NL-BY05・NS-NH05)は1年保証です。「象印だから5年」ではありません。補修用性能部品の保有期間は、今回開いたページでは確認できませんでした。

他社の年数との比べ方は1本目「炊飯器のメーカーはどこがいい?」に、内釜という消耗部品を何年使うかの目安は「家電の寿命10年」は本当かという記事にあります。

象印が向いていない人

次に当てはまる人は、象印を第1候補にしなくてよいと当サイトは考えます。

  • 「銘柄で炊き分けたい」と決めている人。象印の「わが家炊き」は銘柄ではなく食感の感想で調整する方式で、パナソニックの銘柄炊き分け(公式の仕様比較表にSR-X918E/SR-X918Dは73銘柄の記載・2026年9月11日確認)とは向きが違います
  • 5年保証を目当てに、いちばん安い象印機を選ぼうとしている人。5年保証は、当サイトが保証年数を確かめた象印の機種の中では、NX-AB型だけで、マイコン3機種は1年です
  • 棚から出し入れして使うつもりの人(5.5合の場合)。最上位のNX-AB10は8.0kgで、当サイトが収録した5.5合52機種の中で最も重い機種でした(1本目参照)。据え置きなら問題になりませんが、毎回持ち上げる使い方には向きません
  • 「炎舞炊き」なら全部同じ性能だと思っている人。NX-AB型(6コイル・炊き分けセレクト15通り)とNW-NC型(4コイル・炊き分け5通り)は別物です
  • パンを焼きたい人でマイコン機を検討していない人。パン(発酵・焼き)メニューはNL-BF05・NL-BY05にあり、上位の炎舞炊き系列にはありません

当サイトが結論編で象印を第1に挙げた理由

このシリーズの結論編で、当サイトが第1に挙げたのは「象印」というメーカーです(3〜4合と1升の2つの段)。特定の型番を「第1」と呼んだわけではありません。根拠にした機種は次のとおりです。

  • 3〜4合:①いちばん小さい機種が象印だった(NS-NH05=幅22.0×奥行25.5cm=561cm²・1.9kg。収録24機種で最小)。②電気の数字がいちばん小さい2機種も象印だった(NL-BF05 37.8kWh/年、NL-BY05 38.1kWh/年)
  • 1升:この段で選択肢が多いのが象印で、当サイトが収録した象印の10シリーズすべてが年間消費電力量を公表していたこと。数字がいちばん小さいのもNW-NC18(118.9kWh/年)だったこと

味の順位は入っていません。また結論編は、3〜4合の根拠にした2機種について「上の小さい2機種はどちらもマイコン機です。IHや圧力IHが欲しいなら NP-GM05 や NP-RU05 になり、小ささの優位は縮みます」と気になる点も書いています。小ささと電気の数字で象印を選んだのであって、加熱方式で選んだのではありません。

商品カードについて(正直に書きます)

用意できている商品カードはNW-NC10(5.5合・炎舞炊き系列)の1台だけです。結論編が3〜4合で根拠にしたNL-BF05・NL-BY05・NS-NH05、1升で根拠にしたNW-NC18のカードは、いずれも用意できていません。NW-NC10は5.5合クラスでは日立が第1のため結論編の主役ではありませんが、この記事で解説した「炎舞炊き」系列の機種としてリンクを置きます。他の機種は型番を本文に出していますので、公式ページか販売店でご確認ください。当サイトは価格を調べていません(象印は「オープン価格」)。カードの価格は販売店の表示値です(2026年9月11日時点)。


7機種の数値一覧

項目 NX-AB10 NX-AB18 NW-NC10 NW-NC18 NL-BF05 NL-BY05 NS-NH05
系列 圧力IH「炎舞炊き」 圧力IH「炎舞炊き」 圧力IH「炎舞炊き」 圧力IH「炎舞炊き」 マイコン マイコン マイコン
炊飯容量 0.5〜5.5合 1合〜1升 0.5〜5.5合 1合〜1升 0.5〜3合 0.5〜3合 0.5〜3合
外形寸法(幅×奥行×高さcm) 26×33×24 29.5×36×27 24.5×33×21.5 27.5×36×24.5 23.5×32.5×19.5 23.5×32.5×19.5 22×25.5×19.5
設置面積(幅×奥行)
=当サイトの掛け算
858cm² 1,062cm² 808.5cm² 990cm² 763.8cm² 763.8cm² 561cm²
質量(約) 8.0kg 9.5kg 6.5kg 8.0kg 2.7kg 3.1kg 1.9kg
内釜の厚さ(釜厚) 2.2mm 2.2mm 2.2mm 2.2mm 2.5mm 5.0mm 0.8mm
炊飯時消費電力(W) 1440W 1460W 1240W 1370W 495W 495W 420W
年間消費電力量 81.3kWh/年 120.6kWh/年 76.5kWh/年 118.9kWh/年 37.8kWh/年 38.1kWh/年 39.1kWh/年
炊飯時消費電力量(1回) 148Wh 179Wh 139Wh 180Wh 92.4Wh 93.9Wh 95.3Wh
内釜コート保証 5年 5年 3年 3年 1年 1年 1年

設置面積の行だけは公式の数値ではありません(幅×奥行を当サイトが掛け算。小数第2位を四捨五入し、NL-BF05・NL-BY05は 23.5×32.5=763.75)。炊飯時消費電力(W)は一瞬の最大電力で、電気代の目安は「年間消費電力量」のほうです。

よくある質問

Q. 「炎舞炊き」と「豪炎かまど釜」は同じものですか?
A. 違います。炎舞炊きはIHヒーターの加熱の仕方(6つまたは4つに分け、2つずつ順番に加熱)、豪炎かまど釜はその熱を受ける内釜(鉄をアルミとステンレスに組み込んだ構造+厚いふち)です。この記事の機種では両方セットで付いています。

Q. NX-AB型とNW-NC型はどちらを選べばいいですか?
A. コイル数(6対4)・炊き分けの通り数(15対5)・内釜保証(5年対3年)が違います。いちばん実用的な差は保証年数だと当サイトは考えます。当サイトはどちらを買うべきかは判定しません。

Q. マイコン機(NL-BF05など)は炎舞炊きより劣りますか?
A. 圧力もIHも使わないため、加熱の仕組みは別物です。ただし結論編では、3〜4合の段でいちばん小さくいちばん電気を使わないのがこのマイコン機でした。パン(発酵・焼き)メニューは、むしろNL-BF05・NL-BY05にしか記載がありません。

Q. 「蒸気セーブ約80%カット」の条件は何ですか?
A. 条件は機種で違います。共通なのは「10サイズ3カップ・18サイズ4カップ、室温23℃±2℃、当社自社基準による当社測定値」の部分だけ。NX-AB型は「白米炊き分けセレクト(かたさ・粘り標準)」との比較、NW-NC型は「白米ふつう」との比較です。周囲の環境で蒸気量は変わる、結露ややけどに注意、とも公式が注記しています。

Q. 象印の炊飯器は全部で何機種ありますか?
A. 2026年9月12日時点の公式ラインアップで16シリーズです(3合から1升まで)。この記事が機能を解説しているのは、そのうち5シリーズ(7機種)だけです。残る11シリーズは、当サイトが特長ページを開いていないため扱っていません。

まとめ

  • 「炎舞炊き」は底のIHヒーターを分けて、2つずつ順番に加熱する仕組み。NX-AB型は6ブロックを2つずつ(公式は①〜③と表記)、NW-NC型は4ブロックを対角線上の2つずつで、回り方まで同じではありません
  • 象印は1系列ではありません。現行16シリーズで加熱方式はマイコン・IH・圧力IHの3通り。シリーズ名でも決まりません(同じ「豪熱大火力」にNW-QCのIH機とNW-WD等の圧力IH機の両方があります)
  • 蒸気セーブの数字は機種ごとに別で、比べた相手のメニューも別です(NX-AB型は「白米炊き分けセレクト」、NW-NC型は「白米ふつう」と比較)。公式は「蒸気量は抑えられますが、結露ややけどにご注意ください」と注意を書き添えています
  • 内釜フッ素加工の保証は1年・3年・5年の3段階。「5年保証」は、当サイトが保証年数を確かめた象印の機種の中では、NX-AB型だけです
  • 「わが家炊き」「炊き分けセレクト」はマイコン機には無く、「パン(発酵・焼き)」メニューはマイコン機のNL-BF05・NL-BY05にだけ記載がありました。上位機がすべての機能を含むわけではありません

今日やることは1つだけ。買おうとしている型番を、上の16シリーズの表で探して、加熱方式の欄を見てください。象印という社名だけでは、加熱方式も機能も保証年数も決まりません。

注記:数字の条件

  • 年間消費電力量・炊飯時消費電力量は、炎舞炊き系列(NX-AB・NW-NC)は「エコ炊飯」メニュー・省エネ法の測定方法(室温23℃±2℃)による値、NS-NH05のみ「白米」メニューでの測定値で、他の2機種(NL-BF05・NL-BY05)は「エコ炊飯」メニューです。測定基準が違う機種を単純に並べて優劣は決められません
  • 蒸気セーブの数値は機種ごとに測定した相手のメニューが違います。NX-AB10=18.1g/NX-AB18=19.5gは「白米炊き分けセレクト(かたさ・粘り標準)選択時」(それぞれ98.0g・106.5g)との比較、NW-NC10=14.8g/NW-NC18=17.7gは「白米ふつう選択時」(それぞれ85.1g・100.0g)との比較です。共通条件は「10サイズ3カップ・18サイズ4カップ、室温23℃±2℃、当社自社基準による当社測定値」(中略)「周囲の環境などによって蒸気量は異なります。尚、蒸気量は抑えられますが、結露ややけどにご注意ください。」
  • 設置面積(cm²)と「上位機のほうが3倍以上厚い」(釜のふち10mm÷3mm)は公式の数値ではなく、公式の値から当サイトが掛け算・割り算したものです
  • 電気代は「年間消費電力量 × 31円/kWh」(全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価・2022年7月22日改定)で当サイトが計算した参考値です
  • 現行16シリーズは、2026年9月12日に当サイトが象印公式の炊飯ジャー ラインアップ一覧を取得して数えた件数です。生産終了品・流通在庫は含みません
  • 補修用性能部品の保有期間は、今回開いたページでは確認できませんでした
  • 「確認できず」は、当サイトが開いたページに記載を見つけられなかったという意味で、その項目が存在しないという意味ではありません(購入・使用しておらず、味や食感・価格の評価は行っていません)

出典(2026年9月11日〜12日に当サイトが確認)

引用は原文どおりです。他社との比較に使った数値は、2026年8月18日〜20日に8社の公式ページから作成した94シリーズの一覧によります。

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